ベネッセ教育総合研究所
地方自治体がひらく新しい教育
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(3) 自分のペースで自学自習に取り組む
 BSで使用されるプリントは、文字通り、基礎の基礎から扱っている。苦手教科を克服しようとじっくりこなしていく生徒もいれば、得意教科をさらに伸ばそうとどんどん応用問題へ進んでいく生徒もいる。BSの時間内でプリントが終わらない場合は、自宅で取り組んでもいいし、休み時間を利用しても構わない。
  「BSの時間は、各クラスの正・副担任がサポート役として参加し、生徒の質問などに答えます。BSの時間には職員室はほとんど空っぽの状態になるんです」(小川校長)
  BSで使用するプリントは、もともと宿題として生徒に渡していたものである。「宿題」だと、きちんと取り組んでくる生徒とそうでない生徒がはっきり分かれてしまうが、BSの時間を活用することで「最低限ここだけはやってほしい」という内容を押さえることができる。BSの設置によって、寺島中学校の生徒全員に週2時間の自学自習が確保されたのだ。
  「家でやらないのなら学校でやってもらえばいい、という発想です。生徒たちは家でやらなくて済むように、BSの時間内に終わらせようとても集中して取り組んでいます。この子たちにここまでの集中力があったのかと正直驚きました。漫然とした受身の学習とは異なる、とても実のある時間になっていると思います」(小川校長)
  このほかに自主的学習の支援として寺島中学校では、長期休業とテストの前に希望者を対象とした補充教室を以前から実施している。これに加えて、6月からは墨田区の事業としてスタートした土曜補習教室も実施している。基礎学力を定着させるための環境は一層整備されてきたといえるだろう。

▼図1
図1

写真
BS(ベーシックスキル):担任・副担任の2名の教師がつく。学習は生徒がそれぞれのペースで進め、教師は主に生徒の質問に答えるだけだ


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