1 少子化による影響 |
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近年、着実に進行する「少子化」は、学校現場にどのような影響を与えているのだろうか。
地方の場合、都市部に比べ、総じて学区域が広いため、子どもの数が減少しても学校の統廃合が困難な場合が多い。そうした地域では、学校が小規模化し、結果として、人間関係の固定化や、集団活動の不足などの問題が生じやすくなる。
こうした状況には、学校が拠点となり、地域と連携した体験活動等を展開することが重要だ。地域の一員としての活動をすることで、「この地域に住み続けたい」という意識が育まれる(図1)。その際、縦割りの集団で活動させれば、兄弟姉妹や遊び仲間が少ない環境に豊かな人間関係を持ち込める。 |
▼図1
調査概要 図1/首都圏の公立小学校4-6年生約1,850人を
対象に学校通しの質問紙で行った調査。(調査時期:2001年5-6月) |
都市部でも、子どもの減少は進んでいる。最近は、学校選択制を導入した地域で、不人気校の子どもの数が極端に少なくなるケースもある。こうした場合も人間関係の希薄化が問題になりやすい。処方箋としては、運動会などの行事で近隣の学校や各種施設・機関と合同、連携した活動を取り入れることがポイントとなる。さらに、学校選択制下の学校は、各学校の特長を効果的にアピールする方法を練る必要もあり、教育委員会による後方支援は大きな支えとなる。 |