ベネッセ教育総合研究所
第1章 地方自治体がひらく新しい教育
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2 学校への関心度による影響
 全国の教育長を対象に行った意識調査では、人口規模の小さい自治体が必ずしも、地域での体験やボランティア活動の必要性を強く感じているわけではないということがわかった(図2)。しかし、人間関係が固定化しがちな小さなコミュニティでこそ、豊かな体験が子どもの成長には欠かせない。
▼図2
図2

調査概要 図2/全国の小・中学校の児童・生徒、保護者、教員、学校評議員、
及び、 都道府県・市区町村の 教育長と首長約36,000人を
対象に自記式質問紙で行った調査。(調査時期:2005年3-4月)
 地方では、保護者や地域住民が地元出身者であることが多く、比較的、学校教育への協力を仰ぎやすい。ただし、地域の大人が子ども時代を過ごした頃と今とでは、子どもを取り巻く環境が変化していることは意外と意識されていない。保護者や住民に対し、現在の教育実態を説明し、問題意識を共有化する努力が必要だろう。
  一方、地方に比べて住民が多様化している都市部では、保護者の教育への関心にも差があり、また、子どもの進学先も私立・公立と異なる。他地域からの転入率や外国人の居住者が増加している地域もある。そのため、子どもたちが学校を「居場所」として感じられるような機会を工夫するなど、学校への帰属意識を高めるための施策が考えられる。また、家庭環境の違いが子どもの成長に差を生まないような配慮も必要だ。


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