特集 「学校力」を生み出す学校評価
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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学校評価で成果が目に見え、外部の信頼感も向上

―学校評価を導入しようと思っても、「悪い結果が出るのでは」「仕事量が膨大になるのでは」といった思いから、実行に踏みきれない学校もあります。そうした学校に助言をいただけますか。

北神 始める前に抵抗感があるのは理解できます。しかし、実施した学校は、異口同音に「してよかった」と言います。「予想よりも結果がよかった」「あやふやだった思いが確信に変わった」という声が多い。1回目の壁を乗り越えてしまえば、それほど問題はないと思います。思いきって、校長ら管理職が実行に踏みきるのも一つの方法です。皆で話し合えば時間がかかりますし、この項目はやめようなどと、中身も削がれてしまいます。ただし、実行するからには、皆が理解するまで、そのねらいやプロセスを説明する必要があります。それをしないで悪い結果が出れば、学校が道筋を見失うことにもなりかねません。
小川 最初に本校で学校評価の実施を提案したとき、職員が賛同するか多少の不安がありました。しかし、取り組みを進めるうちに、不安は払拭されました。本校は「子どもたちが喜んで通える」「学びに喜びを感じる」という学校づくりをめざし、評価項目でもそれを最初に聞きました。すると、子どもの86.9%、保護者の94.5%から、「学校へ行くのは楽しい」「子どもは学校へ行くのが楽しいと言っている」という回答がきました。これには、私も含めて教師全員が非常に勇気づけられました。PTA役員会も学校評価の実施に好意的であり、協力的な点も心強いです。
岩堂 私は04年の赴任直後に学校評価を導入しましたが、教師の多くが効果を実感しました。評価するごとに改善が見られ、取り組みが正しかったという喜びと実感が得られたのです。継続すれば更に大きな改善が得られそうだという手応えはあります。
  学校評価の実施により、確かに日々の仕事は増える部分もあります。しかし、評価に基づいた指導改善により、生徒の実態によりフィットした指導ができることや、さまざまな問題が激減するなど、ほかの負担が減り、結果的には仕事がスムーズになったと実感しています。今では、本校が推し進める「地域協働学校づくり」に欠かせない制度として、皆が積極的にかかわっています。
北神 両校の話から、学校評価には学校と外部とをつなぐ重要な役割があることを改めて感じました。これからは、学校評価を学校経営の中核に据え、学校力の向上を図ることが、ますます重要視されていくと思います。
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学校評価を導入すれば、日々の仕事量は増えます。しかし、導入後は、より生徒の実態にフィットした指導ができ、さまざまな問題も急減し、結果的に学校運営はスムーズになりました。その結果から、継続すれば更に効果が上がるという手応えが得られました(岩堂秀明先生)

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