▲奈良文化女子短大教授
善野八千子
Zenno Yachiko
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渋江小学校の
実践から学ぶこと
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奈良文化女子短大教授
善野八千子先生
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調査データを生かし、一人ひとりの子どもの課題を明確にしたのが鍵
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まず、第三者の視点から客観的に子どもの学力の実態把握を行い、問題の所在を明らかにした点が評価されます。客観性・妥当性のある調査データを示すことで、「このままでよいはずはない」となんとなく思っている教師や保護者を「このままではいけない」という危機意識に直面させることができます。渋江小学校のように学力に対する保護者の意識が特別高くないと思われる学校にも、たいへん参考になる例です。
次に、調査データを生かして、子どもの個々のレベルまで課題を明確にして支援策を打ち出せたことが成功の鍵です。学校がすべきことと家庭でしかできないことを明確にし、夏休み前の保護者面談というタイムリーな時期に、家庭で改善すべきことを保護者に伝え、働きかけたことも評価されます。これは「学校からのお願い」ではなくて、子どもをともに育てていこうとする「信頼の構築」そのものです。そして、学校は、評価を実際の授業に反映させて工夫改善することで、学校が担う最大の責任を果たします。学校での授業改善と家庭での生活改善は、結果として学力の向上に表れてくるはずです。
今後も、評価を生かして、「教師が変わり、保護者のかかわりも変わっていく」というプラスの循環サイクルが継続的に発展することを願っています。
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