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専門家の助言も受け出店計画を考える中で「自己有用感」を養う
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原東小学校のキャリア教育の実践の場は主に生活科と「総合的な学習の時間」に設定されている。年間活動計画を作成し、6学年すべてにキャリア教育の場が用意されている。05年度にその集大成として、6年生が取り組んだ「みんなの思いを集めて『原東ドリームストア』を開こう」(全34時間)を例に紹介する(写真1)。
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写真1 6年生の「みんなの思いを集めて『原東ドリームストア』を開こう」の準備では、実際のお店の経営者から助言を受けた |
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原東小学校は05年7月に体育館で「原東ドリームストア」を開催した。6年生が模擬店を開き、1~5年生と保護者が客になるというイベントだ。店の種類、商品の選定、価格の設定、接客などについて、クラス単位で考え、話し合って進めていく。開催当日は、専用紙幣を使って売買を行う。クラスごとに売り上げを競うほか、客からのアンケートにより店の独自性も評価される。
あるクラスは、児童2~7名のグループに分かれ、おかし屋、アイスクリーム屋、リサイクルショップ、動物グッズショップ、歴史館などを出店した。同じ目的を持ったクラスメイト(共同経営者)とともに繁盛する店をつくり上げていく。その中で、自分の役割と責任の重要性、計画の難しさ、協力し合うことの大切さ、そして「自己有用感」の獲得をめざし、勤労観・職業観の育成につなげるのがねらいだ。準備段階では、実際に店を経営する保護者や地域の人を招き、児童の経営案をプロの視点で助言してもらうようにした。
実践のポイントは、原東小学校がめざす「えがく力」「かかわる力」「もとめる力」を、活動によってどのようにつけていくかを常に思い描いていることだ。よりどころとなるのは、「キャリア教育で育成したい具体的な子どもの姿」(図1)だ。目標となる三つの力について、それぞれ「将来設計能力」「情報活用能力」「人間関係形成能力」「意思決定能力」を対応させ、低学年・中学年・高学年のそれぞれの子どもの姿を表した。「自ら感じ、気づき、学び、考え、行動する子」という学校教育目標との関連も示されている。
「この表で子どもにつけたい力が明確になり、教師は自信を持って授業ができるようになりました。また、本校でのすべての活動は、ここに描かれる子ども像を目標に行われています」(工藤校長)
この表は、既存の活動に新たな視点を加えることにもつながった。原東小学校は創立時から隣接する静岡県立沼津養護学校の児童との交流を続けている。以前は、「養護学校の子どもたちと仲良くしよう」ということにとどまっていたが、キャリア教育の視点を入れることで、「かかわる力(人間関係形成力)」を育成するというねらいがはっきりした。 |
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