地方分権時代の教育行政 千葉県野田市
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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信頼感を土台として地域の人材・資源を活用

 こうして醸成された保護者・地域との信頼関係を土台として、地域の人材や資源を積極的に活用した教育を推進している点も、二ツ塚小学校の特徴の一つだ。
  「総合的な学習の時間」で実施している3年生の畑づくりや豆腐づくり、5年生の稲作(写真1)、6年生の茶摘みなどは、すべて地域の協力がなければ実現できなかった。「教師には異動がありますから、そのたびに活動が途絶えるのは残念です。取り組みを学校の伝統として定着させるためには、地域の方々の協力が絶対に不可欠なんです」と、 ?橋宏教頭は強調する。
  二ツ塚小学校のある福田地区は、市内でも自然環境に恵まれた地域とあって、学校の近くの谷津田に生息するホタル観察会や星座観測会を行ったり、また、サケを卵から育てて放流するなど、豊かな自然を生かした取り組みも実施している。こうした活動には、地域の専門家に入ってもらい、子どもたちに説明してもらう、更に地域の方々の参加も呼びかけるなど、活動に厚みを持たせている。
  「市教委が地域との連携を推進してくれたことで、学校が地域の資源や人材を有効に活用し、豊かな自然に触れる教育活動を自由に行うことで、学校の特色づくりが図られました」(佐原校長)
  更に、市教委は、中学校区を中心地域で考えることを推進しており、近年は近隣の小学校との連携事業も動き始めている。06年度から実施予定の、地区内三つの小学校による合同林間学校もその一つだ。小学校同士の横の連携を強めるという特色にもつながっている。
  学校の特色づくりにとどまらず、地域との一体感が生まれ始めている二ツ塚小学校。整備事業の成果は確実に現れ始めている。
写真
写真1 5年生の「総合的な学習の時間」では、農家の指導を受けながら稲作を行う。学校や家庭独自ではなかなかできない体験学習には、地域の協力が不可欠だ

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