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「協力・協同」する活動を意識的に取り入れる
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三つめの柱の「協力・協同」は、学級での係や当番のほか、クラブ、委員会活動、「総合的な学習」など、あらゆる場面で教師が常に意識しているテーマだ。
「まわりと協力して何かをつくり上げていく体験を積み上げ、関係調整能力を身に付けていくことが、これからの社会を生きていく上で重要です。例えば、係でも委員会活動でも、好き嫌いに関係なく、だれとでも分け隔てなく協力できる力をつけたいと考えています。難しい課題ですが、体験の中でいろいろな衝突が起きたり、問題にぶつかったりしたとき、それを一つひとつ解決させていくしかありません。体験抜きに理屈だけ言って聞かせても、協力・協同する力は育まれないからです。子ども同士の衝突を良い教材だと捉え、皆の共通の問題として話し合っていきます。学習面でも、こうした、体験に近い活動を意識的に取り入れています」(西澤校長)
例えば、3年生の道徳の授業では、日常で使う言葉の中で「嫌な感じの言葉」と「感じのよい言葉」をそれぞれ三つずつ選ばせ、それらを短い劇の中で表現させた。劇のあと、言う側、言われた側の気持ちについて感想や意見を出し合い、「友だちの心を傷つける言葉を言わない」ことを自分の体験とも重ねて実感として確かめ合った。
週1回開かれる学年研究会では、子どもの生活面について議論を重ね、自分の学級の児童だけでなく学年全体の状況について共有。学校全体の研究会も月1回開いている。
学力調査の結果、改めて浮き彫りになった「心の豊かさ」という課題。その克服に向けてスタートした「総合的な教育力」を高める試みを、今後しばらくは継続していくと西澤校長は話す。
「本校が取り組んでいるのは受験学力ではなく、思考力や判断力、意欲・関心といった『確かな学力』です。子どもたちは将来、社会のリーダーとして活躍する可能性を秘めています。リーダーになるためには、教科の勉強だけできればよいのでしょうか。今はそんな時代ではありません。人間的にも成長し、まわりから慕われるような人格を形成してもらいたいと考えています」 |
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2000年に各教室と廊下の間に壁がないオープンスペースの新校舎に建て替えられた。グループに分かれての共同作業がしやすい環境だ |
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