特別企画 現場教師の疑問に答える「全国学力・学習状況調査」Q&A

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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3 結果の返却やデータの分析について

Q.8
調査結果の見方や分析の方法がよくわかりません。データを活用するための事例集などはあるのでしょうか。

A.8
 調査結果の見方や分析方法については、実施後にガイドラインを作成します。各都道府県や市区町村の教育委員会、および各校は、そのガイドラインに基づいて、地域の実情を踏まえながら検証していただきたいと考えています。
  各校の優れた取り組みを紹介する事例集の作成も検討していますが、学力調査の実施後、指導改善の効果が現れるまでには一定の期間を要しますので、発刊の具体的な時期は決まっていません。

Q.9
児童・生徒には、どのような形で調査結果を返却するのが望ましいのでしょうか。

A.9
 児童・生徒に返却するデータとしては、各問題の正誤や、よくできたところ、そうでなかったところがわかる資料などを検討しています。返却時には、教師が一人ひとりの児童・生徒に声をかけるなどして、成果や課題を自覚させ、学習意欲を引き出すとよいでしょう。時間の制約などもあるとは思いますが、個別指導の実施も考えられます。
  更に、単なる点数の良し悪しに一喜一憂して終わるのではなく、その後の授業では、調査で明らかになった課題に対する重点的な指導も望まれます。

Q.10
最終学年で実施すると、調査結果の返却後、卒業までには半年程度しかありません。指導改善に生かすのは、現実的には難しいのではないでしょうか。

A.10
 学力調査を最終学年に実施するのは、小・中学校それぞれのまとめの時期における到達度を把握する、という重要な狙いがあります。これを踏まえて、結果の返却は9月としています。
  時期的に指導改善に結び付けるのは難しいというご指摘もありますが、実施後すみやかに出題内容や解答例、指導のポイントなどを含む解説資料を作成する予定です。児童・生徒の記憶が鮮明なうちに学力調査の問題を踏まえた授業を行うなどして、指導改善することも可能と考えています。

Q.11
近隣の他校のデータを知りたい場合、市区町村などの教育委員会に請求すれば教えてもらえますか。

A.11
 それはできません。各市区町村の教育委員会は、学校名を明らかにしてデータを公表することはありません。
  国に対して情報公開法に基づく公開請求があった場合には、不開示情報として扱いますが、各自治体の条例に基づく請求に対しても、同じ方針で臨んでください。

Q.12
データが外部に漏えいする心配はないのでしょうか。

A.12
 実施機関や教育委員会、採点や集計を委託する民間業者に対して、データの取り扱いに関する厳格なセキュリティ・ポリシーを作成し、その遵守を求めています。
  このほか、学校や教育委員会が個人情報を取り扱う場面をできるだけ少なくしているので、漏えいの危険性は基本的にないものと考えています。

図3

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