教育現場の挑戦 変化している授業形態

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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児童の個性を指導に生かす「学習の個性化」

 「学習の個性化」を図る指導も、学習内容はさまざまだ。
  3年生以上が対象の「週間プログラムによる学習」は、児童自身がある単元の学習計画を立案し、それに沿って個別学習を進めるというもの。該当する単元は、「学習内容が明確」「自己チェックをしやすい」「友だちとの意見交換が不要」など、いくつかの観点を基準に選ばれる。また、「得意な算数は短時間で済ませて、苦手な国語に時間をかける」などと柔軟な計画が立てられるように、原則として複数教科を組み合わせる。
  ただ、すべてを児童に任せるのではなく、教師はモデルとなるコースをいくつか設定する。そして、コースごとに学習の目標や標準時間数、学習の流れ、参考資料などをまとめた「学習のてびき」を児童に渡して基本的な方向付けを行う。また、教師はスケジュールのアドバイスをしたり、途中でつまずく児童には、教師が集中的に個別指導をして解決の糸口を与えたりもする。
  「自分の計画に沿って学習を深め、新しい問題を解けるようになる。そのような体験を重ねることで、自主的に勉強しようとする意識とスキルが身についていきます」(青木先生)
  4年生以上が対象の「オープン・タイム(O・T)」も「学習の個性化」を図る指導だ。児童が自分で計画表を作成して活動するのは「週間プログラムによる学習」と同じだが、こちらは学習テーマ自体も自由に設定できる。例えば、「季節の果物を使っておやつを作る」「お母さんにマフラーを作ってプレゼントする」「サッカーのパスを正確に出せるようになる」など、身近なテーマを選ぶ児童も多い(図2)。
  「子どもたちが仕上げたものを見ると、『その子らしさが出ているな』と感じます。自分の良さと一緒に、周囲の友だちの良さも実感できる学習になっています」(宮島年夫校長)
  この学習では、保護者や地域の人々によるボランティアの貢献も非常に大きい。
  「この活動は、ボランティア抜きには成り立たないと言ってもよいほどです。学校での学習内容を理解してもらう良い機会にもなっています」(宮島校長)
図2

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