教育現場の挑戦 「できるところから」を合言葉に年々広がる小中5校の教科連携
宮城県 七ヶ浜町

宮城県 七ヶ浜町

【DATA】
東北地方の市町で最も小さい面積だが、仙台市や塩竈市などへの通勤に便利なことから、人口密度は高い。三方を海に囲まれた豊かな自然環境を生かした漁業や農業も盛ん。5校の小・中学校が比較的近いという地理的な環境を生かし、2000年度から5校連携の教育活動を展開する「七ヶ浜ジョイント5」に取り組む。

【七ヶ浜町教育委員会】

所在地●〒985-0804 宮城県宮城郡七ヶ浜町東宮浜字丑谷辺5-1

TEL●022-357-2111

FAX●022-357-5744

小学校●亦楽(えきらく)小学校、松ヶ浜小学校、汐見小学校

中学校●七ヶ浜中学校、向洋中学校


徳田 修

▲七ヶ浜町立亦楽小学校

徳田 修
Tokuda Osamu
研究主任

後藤善史

▲七ヶ浜町立松ヶ浜小学校

後藤善史
Goto Yoshifumi
教務主任

高橋良典

▲七ヶ浜町立汐見小学校

高橋良典
Takahashi Yoshinori
教務主任

佐藤 剛

▲七ヶ浜町立七ヶ浜中学校

佐藤 剛
Sato Takeshi
教務主任

中澤宏一

▲七ヶ浜町立向洋中学校

中澤宏一
Nakazawa Koichi
教務主任
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教育現場の挑戦

そのとき、子どもは、教師はどう変わったか

宮城県 七ヶ浜(しちがはま)町

「できるところから」を合言葉に年々広がる小中5校の教科連携

実践のポイント
Point1 「つなぎの問題」で小・中学校間のギャップを埋める
Point2 率直な意見交換で相互理解を図る
Point3  「できるところから」を合言葉に無理なく取り組む

5つの小・中学校が縦横の連携を強める

 七ヶ浜町は面積約13平方キロメートルの東北地方最小の町で、学校や公共施設が比較的近い距離に立地している。この地理的条件を生かし、2000年度から町を挙げて取り組んでいるのが「七ヶ浜ジョイント5(ファイブ)(以下、ジョイント5)」だ。町内にある亦楽(えきらく)・汐見・松ヶ浜の3小学校、七ヶ浜・向洋の2中学校の計5校が縦横の連携を図った教育を展開する。
  きっかけは、98年に「総合的な学習の時間(以下、総合学習)」が盛り込まれた新たな学習指導要領の告示を受け、各校の教務主任が総合学習の活動内容を話し合ったことだった。向洋中学校の中澤宏一先生は当時をこう振り返る。
  「小学校と中学校の活動が、予想以上に重複していることがわかりました。教科学習でも重複や抜け落ちている部分があるかもしれないと、算数と数学、総合学習で取り組む英語活動について、小中のカリキュラムを見直すことにしたのです」
  別の面からも小中連携は求められていた。いわゆる「中1ギャップ」だ。当時、松ヶ浜小学校の6年生を対象に「中学校への進学にあたって最も不安なこと」を聞いたところ、最多の回答は英語についてだった。そこで、試験的に向洋中学校の英語科教師が松ヶ浜小学校の英語活動でチームティーチングを行い、再び同様のアンケートを取ったところ、英語は「最も楽しみな教科」という回答が最も多くなった。
  小学校と中学校が連携して授業を行う効果を実感したことから、ジョイント5によって英語、算数・数学を中心に小中の連携を模索することになったのだ。


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