算数・数学の研究では、まず小中の教師による意見交換を行った。「小中の間に立ちはだかっていた壁を壊すため」と、亦楽小学校教務主任の徳田修先生は理由を話す。
「小学校の教師は『算数が得意だった子どもが中学校に入ると数学を嫌いになってしまう』、中学校の教師は『小学校ではこんなことも教えていないのか』と、互いに不満がありました。まずは、意見をぶつけ合うことから相互理解を始めようとしました」
話し合いが進むにつれ、教え方や学習内容に小中で大きなギャップがあることがわかった。算数では単元別に理解すればよいが、数学になると単元内容を組み合わせて使うために混乱する子どもが多い、算数では手薄となる範囲が数学では重要であること、などだ。
そうした状況をカバーするために、04年度から七ヶ浜中学校では、年間6時間、中1の数学に算数を復習する時間を設けた。また、亦楽小学校では、小中の教師で作成した「つなぎの問題」(図2)を活用し、算数から数学への移行がスムーズになるよう工夫している。
例えば、算数の「比」には分数が出てこないが、数学では当たり前のように出てくる。比や分数をそれぞれ理解していても、同時に応用できない子どもが多い。そうした問題を集め、既習事項を生かしながら子どもが挑戦する。
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