つながる「保護者」と「学校」
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「お母さん」ではなく名前で呼ぶ対等な関係を

 教師が母親に接するときにも、子ども扱いするような話し方をすることがあります。これも母親を対等な社会人として見ていないことの表れでしょう。母親もそれぞれ、人生経験や社会人としてのキャリアを積んできています。先生方がそこから何かを学ぼうとする姿勢も大事ではないでしょうか。
  教師が母親と対等に向き合うことは、子育てに夢中になる母親が失いかけている社会性を取り戻す手助けにもなります。「自分は親であると同時に、1人の社会人でもある」という意識を取り戻すことで、母親は「自分の子どもさえ良ければよい」という偏った考え方から抜け出せるのではないでしょうか。
  こうした意識を呼び起こすには、母親を「お母さん」ではなく、「○○さん」と名前で呼びかけるのが効果的です。教師も「先生」だけではなく、名前で呼ばれるような付き合いができれば対等な関係といえるでしょう。
  会話の内容も重要です。面談などでは学力や学級生活の説明など、子どもの話題に終始しがちですが、それだけでは教師と親という上下関係から抜け出せません。その合間にどれだけ普通の会話を織り交ぜられるかによって、教師と母親の関係は大きく変わってきます。そうした会話は「人」に対する好奇心から生まれます。私は教師にもっと好奇心を持ってほしいと思っています。


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