当研究所が最初に行ったのは「第1回乳幼児の父親についての調査」だ。母親への支援と共に父親が家庭や地域にかかわることの重要性が指摘されているが、父親の子育ての実態や意識を明らかにする調査はこれまでほとんど行われてこなかった。乳幼児の父親は子育てにどのようにかかわっているのだろうか。
まず子どもと過ごす時間は、平日は「1~2時間未満」が27.0%と最も多い。一方、子どもと過ごしたい時間は「2~3時間未満」が最も多く、32.6%だった。休日は、平日に思うように子どもと過ごせない反動からか「10時間~ほぼ1日」が最も多く、50.4%となった(図1)。
父親の育児参加により、母親の子育てに対する不安の軽減や母子密着の問題が緩和され、子育てにプラスに作用することは大いに期待できる。それは、子育てしやすい社会への第一歩でもある。今後、これらの結果をベースに、父親の存在が子どもの成長や家族に与える影響を追い、母親を中心とした従来の子育て支援にはなかった視点を提供したい。
また、乳幼児のテレビ・ビデオ視聴についても研究している。過度な視聴は一部の研究者から警告が発せられているが、子どもの発達にはさまざまな生得的、環境的要因が絡むため、メディア視聴と子どもの成長との関連性をすぐに明らかにすることは難しいと指摘する研究者もいる。
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