新学習指導要領へのアプローチ 第1回 「言語活動」で広がる学び



大阪府堺市立浜寺小学校

大阪府堺市立浜寺小学校

School Data
2002年度に文部科学省の「学力向上フロンティア事業」(3年間)、05年度から「学力向上拠点形成事業」(3年間)の指定を受け、個に応じた指導、プロジェクト型学習、フィンランドメソッドなどを用いて「高める力・心」「PISA型読解力」の育成に取り組んできた。また、「地域共育学校」を標榜し、地域との連携にも力を注いでいる。

 

校長◎由良芳子先生
児童数◎514名 
学級数◎18学級
(うち特別支援学級1学級)
所在地◎ 〒592-8349
大阪府堺市西区浜寺諏訪森町東2-163
TEL◎072-261-9407
URL◎http://www.sakai.
ed.jp/hamadera-e/


由良芳子

堺市立浜寺小学校校長

由良芳子

Yura Yoshiko

千賀敏弘

堺市立浜寺小学校

千賀敏弘

Senga Toshihiro

教務主任、首席教諭
森嵜章代

堺市立浜寺小学校

森嵜章代

Morisaki Akiyo

少人数担当(3、4年生)

池側早智子

堺市立浜寺小学校

池側早智子

Ikegawa Sachiko

少人数担当(1、6年生)


*本文中のプロフィールは取材時(08年3月)のものです

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【学校事例】 読解力育成の実践

「型」の指導によって発言への抵抗感をなくし表現力を育成

大阪府堺市立浜寺小学校

浜寺小学校では、学習の最終目的を「表現活動」としていろいろな活動に取り組む。
その際、話し合いのルールや文章を書く型を子どもに教え、それに従って進めることで、
子どもたち全員が発言し、文章をまとめられるようにする内容重視の指導を展開している。

ちょっとした言葉の行き違いで子ども同士がけんかに

 浜寺小学校は2002年度から3年間、文部科学省の「学力向上フロンティア事業」の指定を受け、子どもの学力向上に取り組んできた。その結果、算数を中心とした教科学力や、子どもの学ぶ意欲については、学力調査やアンケートを通して成果が見えるようになった。
  一方、教師は子どもの「話す力」「聞く力」「書く力」「論理的な思考力」が不足しているのではないかという課題を感じていた。千賀(せんが)敏弘先生は、当時を振り返ってこう話す。
  「論理的に話す、相手の話をしっかり聞くという力が育っていないために、ちょっとした言葉の行き違いでも、子ども同士がケンカになる場面がよく見られました。市の学力テストでも、論理的な思考力が問われる応用問題が弱いというデータが出ていました」
  言語能力の課題を感じていたときに浜寺小学校が出合ったのが、当時、社会的な注目を集めつつあった「PISA型読解力」の考え方だった。単に文章の意味を理解するだけではなく、自分の問題意識に引き付けて考え、それを言葉にして表現する力が求められるPISA型読解力こそ、「本校の子どもに必要な力ではないか」と感じたという。こうして、05年度から指定を受けた「学力向上拠点形成事業」では、PISA型読解力の育成が柱の一つに据えられ、現在の実践へと深められていった。


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