幼稚園に異動した小学校教員が異口同音に語っていたのは、空間の使い方の違いだ。廣内厚士先生はこう話す。
「小学生は基本的にクラスごとに同じ空間で過ごすのに対し、幼稚園児はそれぞれ興味・関心によって、教室や廊下、園庭など別々の場所で遊びます。そのため、クラス全員に目を行き届かせるのが難しく、『あの子は今日、何をして遊んでいたのか』と、不安になることがありました」
時間の使い方の違いも大きい。
「小学校では、時間の区切りが明確でチャイムが鳴るという当たり前のことに、なかなか慣れませんでした。私が感じたのですから、子どもも小学校に入ったら戸惑いを感じるでしょう」と、幼稚園から小学校に異動した濱田理恵先生は言う。
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