明日から使えるICT講座 第2回 プロジェクター・電子黒板

講師
中川一史(ひとし)先生

独立行政法人メディア教育開発センター教授。数多くの小・中学校で指導・助言を行っている。

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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明日から使えるICT講座

第2回 プロジェクター・電子黒板

教材の拡大提示もICT機器ならテンポよく進む!

教材を拡大して見せることは、子どもの興味を引き出したいときや、
ある事柄を強調したいときなどに有効な手法として従来から広く用いられています。
今回は、「プロジェクター」や「電子黒板」といった
拡大提示用のICT機器を用いるメリットや導入のヒントを紹介します。

ICT機器との併用で2倍、3倍の相乗効果が

 「教材の拡大提示」は、授業の節目などでよく用いられる手法です。従来から模造紙、掛け図、OHPなどが使われていますが、現在は「プロジェクター」や「電子黒板」といった拡大提示用のICT機器が普及しつつあります。
 これらの機器の特徴は、パソコンに手軽に接続できること。ソフトウェアやウェブサイトの画面、また、デジタルカメラで撮影した静止画・動画も映し出せます。パソコンでなくても、デジタルカメラに接続すれば、撮影した画像を拡大提示できるのです。画像を繰り返し提示したり、瞬時に切り替えたり、拡大率を変えることも簡単です。これらを授業に取り入れることによって、次のような効果が得られます。
  1. 理解の促進・補完
    日常では体験・観察できないことや技能習得のためのポイントを繰り返し示すことで、理解を促す
  2. 学習内容の焦点化・共有化
    大画面に映し出すことで、クラス全員の視線を1点に集中させられる
 画面を簡単に表示できるため、授業をテンポよく進められるというメリットもあります。プロジェクターや電子黒板は、「第2の黒板」として利用価値のあるツールなのです。
 あえてICT機器を導入する必要性を感じていない先生もいるかもしれません。しかし、拡大提示用のICT機器の最大の特徴は、これまでの指導のスタイルを変える必要がないことです。これらの特性を十分に把握した上で、黒板や模造紙など普段使っているツールと併せて使うことで、学習効果が2倍にも3倍にもなるのです。次に示す事例を参考に、少しずつ取り入れてみてください。
活用度UP! ワンポイントアドバイス

持ち運び・準備に手間をかけない工夫を

 

写真  ICT機器が各教室になく、ICT機器を使用するたびに移動させて準備をするとなると、手間も時間もかかります。そこで、あらかじめプロジェクターとパソコン、ビデオデッキなどの必要な機材をカートなどにひとまとめにしておくのです。そうすれば、教室にカートを運び、電源につないでスイッチを入れるだけですぐ使えます。授業のたびにケーブルなどを接続する必要がなくなり、もっと気軽にICT機器を使えるはずです。このカートを校舎の各階に1台ずつ設置しておけば、重い機材を持って階段を上り下りする必要もなくなるでしょう。


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