低学年からの学びと指導 体験を生活科の軸に
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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低学年からの学びと指導

体験を生活科の軸に

今の子どもは、社会や自然とかかわる体験が少ないといわれている。生活科は、その体験を補う機会として、新学習指導要領において改めてその意義が強調された。今号では、効果的な生活科の指導について考える。

【実態把握】

生活科における
体験の充実と質の向上が課題

 2008年告示の新学習指導要領での生活科の目標には、「自分と身近な人々、社会及び自然とのかかわりに関心をもち」、児童の「自立への基礎を養う」こととあり、基本的な内容は、新教科として取り入れられた89年告示の学習指導要領を踏襲している。
 ただ、子どもの現状を見ると、母親以外の他者とのかかわりや自然と触れ合う機会などが、近年、減少している傾向も見てとれる(図1、2)。こうした状況に対し、生活科が果たす役割は大きいだろう。

図1
平日、幼稚園や保育園以外で遊ぶときにだれと一緒の場合が多いかという問いの上位3項目。「母親」と答える比率が1995年から05年にかけて大幅に上昇している。一方で「きょうだい」や「友だち」の比率は下がっている。95年は「きょうだい」や「友だち」の回答比率が「母親」よりも高かったが、05年では「母親」の回答比率が最も高い。母親以外の他者とかかわる機会が少ないまま、小学校へ入学するケースが多いことが考えられる
図2
日常の中で各項目をどれくらいしているかという問いに対し、「よくする」と「時々する」の回答を合計したデータ。本を読む、読みたい本を本屋で探して買うなどの活動は、01年から06年にかけて上昇している。家で動物・植物の世話をしている小学生の割合は、96年時点では一度増加したものの、06年は90年以降最も低い数値が出ている。このような体験を家庭でしている子どもは減少傾向にあるといえそうだ
●図1出典
ベネッセ教育研究開発センター「第3回幼児の生活アンケート報告書 国内調査
◎調査方法
郵送法(自記式アンケートを郵送により配布・回収)
◎調査時期
第1回1995年2月、第2回2000年2月、第3回2005年3月
◎調査対象
第1回首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の1歳6か月~6歳就学前の幼児を持つ保護者1,692人
第2回首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)、および地方都市(富山市、大分市)の1歳6か月~6歳就学前の幼児を持つ保護者3,270人 ※経年での比較には、地方都市からの回答を分析から除外
第3回首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の0歳6か月~6歳就学前の乳幼児を持つ保護者2,980人 ※経年での比較には、0歳6か月~1歳5か月の乳幼児を持つ保護者の回答を分析から除外
●図2出典
ベネッセ教育研究開発センター「第4回学習基本調査報告書 国内調査 小学生版
◎調査方法
学校通しの質問紙による自記式調査
◎調査時期
第1回1990年、第2回1996年、第3回 2001年、第4回2006年6~7月
◎調査対象
全国3地域[大都市(東京23区内)、地方都市(四国の県庁所在地)、郡部(東北地方)]の小学5年生2,726人
※第1回2,578人、第2回2,665人、第3回2,402人

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