今の子どもは、社会や自然とかかわる体験が少ないといわれている。生活科は、その体験を補う機会として、新学習指導要領において改めてその意義が強調された。今号では、効果的な生活科の指導について考える。
2008年告示の新学習指導要領での生活科の目標には、「自分と身近な人々、社会及び自然とのかかわりに関心をもち」、児童の「自立への基礎を養う」こととあり、基本的な内容は、新教科として取り入れられた89年告示の学習指導要領を踏襲している。 ただ、子どもの現状を見ると、母親以外の他者とのかかわりや自然と触れ合う機会などが、近年、減少している傾向も見てとれる(図1、2)。こうした状況に対し、生活科が果たす役割は大きいだろう。