低学年からの学びと指導 体験を生活科の軸に
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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〈実践に見られる工夫(3)〉
自分の言葉で体験を振り返らせる

 体験による学びを深めるために、振り返りの時間も重視している。「子どもは、基本的に自分の行動を振り返るようなことをあまりしません。『楽しかった』といった感想だけで終わらせないためにも、教師の指導は重要です」と、根本先生は強調する。
 毎時間の終わりに「今日は何を学びましたか」などと投げかけて、各自に振り返らせると共に、小単元ごとに、1年生には3段階の自己評価を付けさせ、自己評価が低かった子どもには個別に話を聞く。2年生では「わかったこと」「考えたこと」「今度、学びたいこと」を書かせる。こうした振り返りを通して、子どもは自分の言葉を身につけていくという。
 あるとき、米店で職場体験をした子どもの感想が「すごい」だったため、「何がすごかったの」と聞くと「おじさんがいつも笑顔だったこと」と答えた。「笑顔の何がすごいの」と続けると「40キロのお米を担いでいるのに笑顔でお客さんと話していたのがすごい」という言葉が返ってきた。
 「子どもの体験を通した気付きや思いは、ちょっとした問いかけにより、自分の言葉として紡ぎ出されます。中には、最後まで『楽しかった』という言葉しか出ない子どももいますが、体験を積み重ねることで、時間はかかっても徐々に自分なりの表現を身につけていきます」
 子どもが変わる瞬間を目の当たりにできることが生活科を通した大きな喜び、と根本先生は語る。  「準備や運営は大変ですが、生活科では子どもの素敵な笑顔を見られる場面が多くあります。『楽しく学ぶ』という理想的な教育を通し、子どもが変わる瞬間を感じ取れたらすばらしいと思います」(根本先生)


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