低学年からの学びと指導 体験を生活科の軸に
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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〈実践に見られる工夫(2)〉
準備や事前指導を徹底する

 体験を充実させるため、準備の際は細かい部分にも気を配る。モルモットの飼育では、事前に保護者に対し、「動物を飼わせたいか」といったアンケートを行い、好意的な反応を確認してから活動を始める。「事前に知らせることで協力を得られやすくなるからです」と、根本先生は話す。更に、児童全員にアレルギー調査を実施。アレルギーを持つ子どもがいたクラスではハムスターの飼育に切り替えた。これと並行し、獣医師とも連携を図った。
 地域社会を舞台とした体験活動では、保護者だけでなく、地域住民の協力も欠かせない。職場体験の訪問先の選定の際、夏休み中に20か所以上の事業所を訪れて協力を依頼した。
 「『子どもに大人が働いている姿を見せ、社会や仕事について考えさせたい』と伝えると、大半の方は快く応じてくれました。『地域の子どもの役に立ちたい』という意識が強い方が多いことを実感し、嬉しく思いました」(根本先生)
 事前指導として、訪問などの前には子どもにリハーサルを繰り返させる。その場の思い付きで体験させるのではなく、事前に練習を重ねて本番に臨むことで、自信を持つと共に得られる学びはより大きくなる。
 「子どもは、最初は学校名と名前を名乗るくらいしかできませんが、『何をしに来たの』などと根気強く問いかけるうちに、『○○のお手伝いをさせてください』と状況に応じた受け答えができるようになります」(根本先生)

● モルモット飼育 ●
<概要>
1、2年生でモルモットを飼育する活動。事前に獣医師に飼いやすい小動物を相談しておき、子どもが図書館やインターネットで飼育方法を調べることから始めた。グループごとに交代で世話をし、飼育日記を書き、休日には当番の保護者と一緒にえさやりなどを行う。3年生になると、1年生に飼育方法を教え、モルモットを譲り渡して活動は終了する。
 
<ねらい>
1年生は自分中心の気持ちが強いため、きちんと世話をするという責任感が弱い。そこで、モルモットとの触れ合いや世話を通し、まずは「命の大切さ」を実感させる。2年生になると徐々に責任感が芽生え、「命を預かることの責任」を感じるようになる。
写真

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