今回の現地調査では、ヨンジ初等学校に続いて4校の高校を訪問し、授業や学習の様子、小学校英語の影響などについて調査した。
韓国の小学校英語必修化にかかわる興味深いデータがある。03年度および06年度に実施したGTEC調査において、必修化前の03年度の高1・2年生と、必修化後の小学校英語経験者である06年度の高1・2年生のスコアを比較したところ、06年度生の方が、03年度生に比べてトータルスコアで45.1ポイント高い結果が出た。この結果が小学校英語の必修化によるものなのかを明らかにすることも、高校取材の目的の一つであった。
韓国の高校での授業はほとんどが英語で進められ、レベルは日本の高校に比べて総じて高い。英語の使用経験については、英語力向上のためにテレビやインターネットを必ずしも意識的に活用しているとは限らないようだ。ただし、英語力の高い生徒は、家族と英語で話したり、母国に戻った塾の英語教師と英語でメールのやりとりをしたりするなど、生活の中で意図的に英語を勉強している。 |