新学習指導要領へのアプローチ 第3回 「問題解決能力」を高める理科指導



石川県金沢市立明成小学校

石川県金沢市立明成小学校

School Data
1995年に2校が統合して開校。教室間の仕切りがないオープンスクールで、自由な雰囲気を持つ校風が特徴。2010年に開かれる第44回全国小学校理科研究大会の会場に決まった。

 

校長◎木谷(きだに)誠治先生
児童数◎252名 
学級数◎13学級(うち特別支援学級2)
所在地◎ 〒920-0845 石川県金沢市瓢箪町5-48
TEL◎076-231-7438
URL◎http://www.
kanazawa-city.ed.jp/meisei-e/

公開研究発表会(生活科・理科)日程◎2008年11月26日(水)13:00~17:00


木谷誠治

石川県金沢市立明成小学校校長

木谷誠治

Kidani Seiji

浅永玲子

石川県金沢市立明成小学校

浅永玲子

Asanaga Reiko

生徒指導主事、6学年担任

夏至康子

石川県金沢市立明成小学校

夏至康子

Geshi Yasuko

研究主任、5学年担任

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 9/17 前ページ 次ページ

【学校事例2】校内研修会の実践

校内研修「明成塾」で教材開発力を高め
PISA型読解力を育む

石川県金沢市立明成(めいせい)小学校

理科を通したPISA型読解力の育成を研究テーマに掲げる明成小学校。
知的好奇心を持って問題を見いださせるために、子どもに驚きや感動を与える教材の開発に力を注ぐ。
「明成塾」と呼ばれる校内研修を行い、問題意識や研究成果を共有し、教師一丸となって取り組んでいる。

子どもの疑問を引き出す教材研究に力点

 自分の考えを論理的に書いたり話したりするのが苦手な子どもが多い―。
 以前から理科研究に力を注いできた明成小学校が、2007年に理科を通した「PISA型読解力」()の育成に研究の重点を移した背景には、そうした問題意識があった。PISA型読解力と、理科の学習によって得られる力とは、どのような関係にあるのか。研究主任の夏至(げし)康子先生は次のように説明する。
 「本校では、PISA型読解力とは、自ら学習課題を見いだし、予想し、確かめ、解決するという『自力解決力』そのものであると考えています。理科で培われる論理的思考力は、多くの部分が自力で解決する力と重なっています」
 は、同校が実践する、理科を通したPISA型読解力育成のための授業モデルだ。「情報の取り出し」「解釈」「熟考・評価」という三つの過程で構成されている。現在、特に力を注いでいるのが、「情報の取り出し」についての研究だ。夏至先生は次のように説明する。
 「情報の取り出しは、子どもに疑問を感じさせて『問題』を発生させる過程のことで、すべての学習の起点となります。この過程を充実させるためには、単元や授業の冒頭で、子どもに驚きや感動を体験させて、興味を引き出すのが非常に有効です。そのため、研究は自ずと教材開発に関する内容が主体となります」

図
注:自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力(文部科学省「『読解力』向上に関する指導資料」より引用)

   PAGE 9/17 前ページ 次ページ