講師 中川一史(ひとし)先生
独立行政法人メディア教育開発センター教授。数多くの小・中学校で指導・助言を行っている。
黒板や模造紙などの従来の手法(アナログ)に デジタル機器を組み合わせることによって更に効果的な指導が可能となります。 デジタルの利点を最大限に生かす 組み合わせのヒントを、事例と共に紹介します。
デジタルとアナログの組み合わせ方
黒板や地図などのアナログの教具と、プロジェクターや電子黒板などのデジタル機器を同時に使い、関心を引き出したり理解を深めたりする。
・校区内の何か所かで撮影した写真をプロジェクターでスクリーンに投影。地図(模造紙などに書いたもの)を掲示して撮影ポイントを示しながら、交通量を確認する(社会) ・板書と掛け図(日本地図)を使って台風の経路を説明。列島の南北で、あるいは海沿いか山沿いかで台風の状況がどう違うかを、プロジェクターなどの映像で確認(理科)
ノートや模造紙などを用いてアナログの作業をしたあとで、デジタル機器を用いて知識や体験を共有する。
・各自、ノートで計算式を解く。その後、解答例として何人かの子どものノートをプロジェクターなどで拡大提示する(算数) ・色の塗り方や道具の使い方などの手本をプロジェクターなどで拡大提示し、それを参考にして、各自で作業を進める(図工)
デジタル機器を元にして作成した資料や教材に、手作業を加え、知識の定着に役立てる。
・冬の気候の地域差について理解するため、2つの地域の冬景色をデジタルカメラで撮影した画像をプリントアウト(印刷)し、それぞれのノートに貼り付ける(社会) ・手書きが可能なスクリーンやホワイトボードなどに、体積測定器具の目盛りをプロジェクターで投影。どの目盛りが何l(ml)かを書き込ませる(理科)