明日から使えるICT講座 第4回 情報モラル教育

講師
中川一史(ひとし)先生

独立行政法人メディア教育開発センター教授。数多くの小・中学校で指導・助言を行っている。

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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明日から使えるICT講座

第4回 情報モラル教育

ネットの功罪を子どもや保護者と共に考える

携帯電話やパソコンを通して子どもが巻き込まれる事件が頻発し、
情報モラル教育の重要性が叫ばれています。一方で、子ども社会で何が起きているのか
大人には見えにくく、どのように指導したらよいかわからないという声もよく聞きます。
そこで、今、情報モラル教育を行う上で押さえるべきテーマを指導例と共に紹介します。

「人の嫌がることはしない」を授業で実感させる

  情報モラル教育は、一言でいうと「人の嫌がることをしない」と教えることです。パソコンや携帯電話の所持・使用の規制だけでは、抜本的な解決にはなりません。これらの使用を前提とし、気持ちよく使うために何が必要かを考えるのが大切です。
 授業で子ども自身が体験し、考えることで、現実の場面でも対応ができるようになるのです。授業参観の機会などを利用し、保護者も一緒に考えてもらえるとよいですね。

     情報モラル教育で必ず押さえたい3つのテーマ

  【主旨】 【指導例】






目的に沿って適正な情報を探し、活用できる能力を身に付ける。
  • インターネットでの調べ学習
    的確な情報を見つけるための検索方法、信憑性の確認方法などを学ぶ。
  • 新聞/ホームページ作成
    新聞やホームページを作成する体験を通して、文章と画像の適切な組み合わせを学ぶ。同じ情報でも、視点が異なれば異なる印象の記事になることを学ぶ。


意見、文章や画像などの引用の仕方を学ぶ。情報には作成者の権利があること、それを尊重することを知る。
  • 調べ学習と著作権
    調べ学習の結果をレポートにまとめるときに、自他の意見を区別する必要があること、正しい引用の仕方などを学ぶ
  • ホームページと著作権
    各自でホームページをつくって発表し合う。ほかの人のホームページを見て、写真の使用や引用の仕方は適切かをチェックする。また、引用したいと思った箇所や引用するときの注意を考える






パソコンの画面の向こうにいる人の存在を意識し、配慮できる力を身に付ける。
  • メールを正しく使う
    文字だけのコミュニケーションで起こりがちな誤解やトラブル、それらを防ぐために必要な配慮などを学ぶ
  • 掲示板を使う
    掲示板でのやりとりを体験させる。相手を不快にさせてしまう言葉や表現、個人情報が流出してしまう怖さ、匿名の便利さとその裏にある危険を学ぶ
活用度UP! ワンポイントアドバイス

情報モラルの学習に役立つサイトを紹介!*08年12月現在

 

総務省 情報モラルICTメディアリテラシー教材
「伸ばそう ICTメディアリテラシー」
http://www.ict-media.net/
ブログやメール、チャットなどのやりとりを安全・リアルに体験できる「ICTシミュレーター」や指導案などが用意されています。

平成19年度文部科学省委託事業 情報モラル指導ポータルサイト
「やってみよう情報モラル教育」
http://kayoo.info/moral-guidebook-2007/index.html
情報モラル教育の実践例やモデルカリキュラム、インターネットや携帯電話の利用実態調査など、すぐに役立つ情報が豊富。

文化庁
「これであなたも著作権何でも博士
〈学校関係者向け著作権の教育情報〉」

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/hakase/index.html
著作権に関する学習資料やソフトをダウンロードできます。


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