今回の学習指導要領改訂の基本的な考え方には、「豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実」が挙げられている。決して芳しいとはいえない子どもの「体」や「体力」についての実態を整理し、学校に求められる指導について考える。
子どもの体や体力の実態を見てみよう。1は7歳児の50メートル走、立ち幅跳び、ソフトボール投げの基本的な運動能力を示す項目で、男女共に年々能力が低下していることがわかる。親世代の約30年前と比べると、子どもの体格は向上している(2)。体格が良くなれば体力・運動能力も合わせて向上すると考えられるが、体力・運動能力は体格の向上に伴っていない。