低学年からの学びと指導 楽しい運動で体づくり
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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 日本の子どもの運動量の少なさがわかるのがだ。7割近くの児童は授業以外で、「活動的な身体活動」を週1回以下しか行っていない。他国との比較では、日本は最低水準だ。

図3
※「息が切れて汗をかくような活発な運動強度」「ややきつい運動」を指す。学校の授業は除き、部活動は含める

 を見ると、運動量の少なさに加え、運動動作そのものを正しくできない子どもが増えている。2007年の幼稚園年長児の「14.6」点は、85年の年中児の「19.6」点よりも低い。現在の幼稚園年長児は、約20年前の年中児よりも正しい運動動作ができていないのである。

図4
※「疾走動作」「跳躍動作」「投球動作」「捕球動作」「まりつき動作」「前転動作」「平均歩行動作」の各動作について、動作の正しさを5パターンに分け、スコア化したものを合計した得点。点数が高いほど、正しい動作ができていることになる。

 健康状態についても、この約30年の変容は大きい。ぜん息、肥満傾向児童の割合が増え、裸眼視力1.0未満の児童は約1.5倍に増えた()。
 以上のように、子どもの体力や健康について過去と比較すると、多くの課題が見えてくる。次ページからは、このような実態の背景と、事態改善のために学校では何ができるのか、山梨大准教授の中村和彦先生にお話をうかがった。

図4
※1:裸眼視力とぜん息は小学生男子、小学生女子全体に占める割合
※2:裸眼視力で1.0未満の児童の割合
※3:視力のみ1979年と2006年との比較
●図3出典
SSF笹川スポーツ財団「青少年のスポーツライフ・データ 2002」
◎調査時期:2001年10月18日~11月4日
◎調査対象:全国の市区町村に在住する10~19歳1,358人。
※図の国際比較は、2000年に報告されたWHO「Health and Health Behavior among Young People」との対応によりなされている
●図4出典
中村和彦他(2008)「今日における幼児の基本的動作の発達」『日本発育発達学会第6回大会プログラム』
◎調査時期:1985年10月、2007年10月
◎調査対象:関東地域内の保育所に所属する3歳児から5歳児までの幼児800名
●図5出典
文部科学省「平成18年度 学校保健統計調査報告書」
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index03.htm
◎調査時期:2006年4月1日~6月30日
◎調査対象(小学生):全国の小学校のうち、文部科学省が指定した調査実施校
2,820校。「発育状態」(身長、体重)については、小学生270,720人、「健康状態」(疾病等)については、小学生1,343,375人が対象者数

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