日本の子どもの運動量の少なさがわかるのが3だ。7割近くの児童は授業以外で、「活動的な身体活動」を週1回以下しか行っていない。他国との比較では、日本は最低水準だ。
4を見ると、運動量の少なさに加え、運動動作そのものを正しくできない子どもが増えている。2007年の幼稚園年長児の「14.6」点は、85年の年中児の「19.6」点よりも低い。現在の幼稚園年長児は、約20年前の年中児よりも正しい運動動作ができていないのである。
健康状態についても、この約30年の変容は大きい。ぜん息、肥満傾向児童の割合が増え、裸眼視力1.0未満の児童は約1.5倍に増えた(5)。 以上のように、子どもの体力や健康について過去と比較すると、多くの課題が見えてくる。次ページからは、このような実態の背景と、事態改善のために学校では何ができるのか、山梨大准教授の中村和彦先生にお話をうかがった。