つながる学校と家庭の学び

宮崎県延岡市立延岡小学校

◎延岡市の中心地に位置する、1889(明治22)年に開校した市内で最も歴史ある小学校。校内研究のテーマを「国語科学習の学び合いを通して、確かな学力が身につけられる授業の工夫」として、授業改善・学習環境の整備などにも力を入れている。

 

校長◎伊東忠俊先生
児童数◎466人
学級数◎16学級(うち特別支援学級2)
所在地◎
〒882-0803 宮崎県延岡市大貫町1-3000
TEL 0982-33-2105
URL http://www.miyazaki-c.ed.jp/nobeoka-e/


宇都宮浩

宮崎県延岡市立延岡小学校

宇都宮浩

Utsunomiya Hiroshi

教務主任、理科主任
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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つながる学校と家庭の学び

【実践事例】 宮崎県延岡市立延岡小学校 宇都宮浩先生

親子で知的好奇心を高める
「サイエンスニュース!」

延岡市立延岡小学校の宇都宮浩先生は、保護者を対象にした教科新聞「サイエンスニュース!」を発行し、理科の授業内容や理科への関心を高める話題を伝えている。
子どもとの会話のきっかけとしてもらい、「理科離れ」を家庭から食い止めることが主なねらいだ。

授業の内容を伝え親子の会話のきっかけに

 「子どもの自然体験が少なくなった」と言われるようになって久しい。親世代の科学への関心が薄くなったことも、昨今の理科離れの一因ではないかと指摘する声もある。
  「海や川の自然に恵まれた本県でも、その例外ではありません」と、延岡市立延岡小学校の宇都宮浩先生は話す。
  このような状況の中で子どもの理科への関心を高めるためには、まず保護者に働き掛けて科学への興味・関心を呼び起こし、家庭で子どもと一緒に話が出来る話題を提供してみてはどうだろうか……。そうした思いから、宇都宮先生は教科新聞「サイエンスニュース!」を2001年度から発行している。
  「前任校で理科の専科教員になり、担任を外れたことが『サイエンスニュース!』を始めたきっかけでした。保護者との接点が大幅に減ったため、理科について保護者に直接話す機会が少なくなってしまう、と危機感を抱いたからです」
  以来、担任を持った年も月1回ほどのペースで発行し、担当する学年の保護者と教職員全員に配付してきた。
 紙面に取り上げる話題は、主に授業の報告だ(図1)

図1 「サイエンスニュース!」
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「サイエンスニュース!」2006年6月6日発行号
▲2006年6月6日発行号
理科の授業に対する子どものコメントを日記より抜粋して紹介した。また、「電気のはたらき」の授業内容と子どもの様子を紹介し、関連クイズを出題した。「お子さんと一緒に考えてみてください」との一言も添えた
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「サイエンスニュース!」2006年11月20日発行号
▲2006年11月20日発行号
国語の説明文「ウミガメのはまを守る」に登場するアカウミガメについて、授業では取り上げなかった生態などを解説した。紙面を作る際に参考にしたウェブサイトの一覧も紹介
*ウェブサイトは、発行当時のものです

 「わざわざ『サイエンスニュース!』で取り上げなくても、授業の内容は子どもが家で普通に話すのではないか、と思われるかも知れません。ところが、今の子どもは学校でやらなければならないことがたくさんあり、なかなかすべてを保護者に話しきれていないようです。しかも、高学年になればなるほど、保護者とあまり話をしない子どもが多くなります。国語や算数については話をしていても、理科となると、子どもが授業で何をしているのか知らない、と言う保護者が少なくありません」(宇都宮先生)
  実際、紙面を読んだ保護者からは、「子どもが何を学んでいるか分かる」「『サイエンスニュース!』をきっかけに理科のことを親子で話した」という感想が多く寄せられる。


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