齊藤 |
例えば、新学習指導要領の解説には、5年生の図形の領域に「三角形や四角形の性質を見いだし、説明することを通して論理的な考えを育成することが大切」と書かれています。授業例【2】の「四角形の内角の和」の学習は、答えの「360度」を暗記させるだけなら5分ですみます。しかし、学習のねらいは論理的な思考力の育成ですから、既習内容である三角形の内角の和を基に、子ども自身に演繹的に考えさせ、説明させることが大切です。 |
中村 |
こうした授業では、教師の問い掛けが鍵を握ります。例えば、「三角形に分けられそうだね」とアイデアを直接伝えるのではなく、「前に似たような学習をしたね」など、子どもの発想を引き出すような問い掛けをして、子どもに自力で既習内容と結び付けさせるのです。 |
齊藤 |
確かに、問い掛ける言葉は重要だと思います。まず何を考えなければならないのかを明確にして教師と子どもで共有し、既習の内容に結び付けたら良い、という視点をうまく提示出来れば、子どもはおのずと活用します。行く行くは、子ども自身でこのように考えられるようにもなります。 |