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基礎・基本の習得が不十分だから、活用には進めないという声も聞かれます。 |
中村 |
それは誤解だと思います。習得だけ、あるいは活用だけの授業はありません。活用と習得は、互いに補完し合いながら両輪となって展開します。 |
齊藤 |
確かに、活用は独立したものではなく、習得と連携しているという視点は、授業づくりにおいて重要です。 |
中村 |
授業例【3】の「わり算の筆算」は、習得の中に活用の芽を見いだしている指導の一例です。これは、アメリカの小学校の指導などでも用いられている筆算の方法です。このように、基礎・基本を培う計算練習でも、子ども自らが考え、考えたことを書き残すように指導すべきだと思います。文字として残ることで、子ども自身が考えたことを振り返り、適切な答えに到達する方法を考えられます。自分がどのように考えているのかを意識出来ると共に、自分の考え方を説明する時の記憶の糸口にもなり、表現力の向上にもつながります。たし算なら繰り上がりの数字を大きく書かせる、かけ算なら部分和を残させるなども同様の手法です。 |