移行措置対応のポイント 第3回 子どもが主体的に考える理科の指導
東京都国立市立国立第五小学校

東京都国立市立国立第五小学校

◎1965(昭和40)年開校。2006年度から3年間、経済産業省資源エネルギー庁主催エネルギー教育実践校として環境教育を実践。09年10月、平成21年度全国小学校理科研究協議会(全小理)東京大会会場校の一つとして研究発表会を実施。

校長◎堀越裕之先生
児童数◎539人
学級数◎19学級(うち特別支援学級2)
所在地◎〒186-0003 東京都国立市富士見台2-47-2
TEL◎042-572-5197
URL◎http://www.city.
kunitachi.tokyo.jp/
kyouiku/09gakkou/0905/
090501/090501.html

公開研究会◎2009年度は終了


※09年10月に行われた全国小学校理科研究協議会の様子は、こちらからご覧になれます

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【実践編】
学校全体で「くにごメソッド」を共有し6年間で科学的リテラシーを育成

東京都 国立(くにたち)市立国立第五小学校

「くにごメソッド」の内容

 問題解決の過程を七つの観点で整理
 国立市立国立第五小学校は、理科の授業を通して「科学的リテラシー」の育成に力を注ぐ。研究主任の渡邉弘樹先生は、科学的リテラシーのとらえ方を次のように説明する。
 「水の三態変化を学んだばかりの子どもが、霜柱を見て『昨日の夜、気温が0度に下がった』とつぶやいたことがありました。そのように、学習した内容を身の回りのことに適用して考える態度や能力、また自然事象に興味を持って理解しようとする心情などが、本校が考える科学的リテラシーです」
 この「科学的リテラシー」育成のための方法論が、「くにごメソッド」だ。科学的リテラシーの重要な部分である問題解決能力の育成について、2003年度から研究をしてきた成果も含め整理した。身の回りへの「適用」を重視しているのが特徴で、問題や仮説の設定、観察・実験の予想、考察を始め、七つの観点がある(図1)。
図1:「くにごメソッド」(一部抜粋)
 例えば、問題設定場面に当たるメソッド(1)は、「複数事象の比較から問題をつくる」。これは、子どもが自ら問題を見いだすためには、教師が複数の事象を提示して比較させる必要があることを示す。3年生の単元「豆電球に明かりをつけよう」では、銀色の折り紙は電気を通すが、金色の折り紙はテスター(電気を通すかどうかを調べる道具)の金具を強く押し付けないと電気を通さないことに気付かせた。どちらも「裏側が紙で出来ている」「表面が光っている」といった共通点があるのに、そのような違いが起こることに子どもは疑問を抱き「問題」を設定した(次ページ 図2:2009年10月に行われた校内研究会の指導案を参照)。

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