移行措置対応のポイント 第3回 子どもが主体的に考える理科の指導

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「くにごメソッド」のメリット1

 若手教師でも取り入れやすくぶれない指導が可能に
 「くにごメソッド」はすべての理科の授業で取り入れられているが、1・2年生の生活科でも基礎となる能力の育成が必要と考え、発達段階に応じた指導をしている。例えば、自然観察にかかわる学習のねらいは、1年生では「季節の変化に気付かせる」、2年生では「季節による自然や生活の変化に気付かせる」、3年生の理科では「生物とその周辺の環境との関係について、多様性や規則性があるという考えを持つ」と系統を意識している。
 問題解決能力の基礎として活用する「話型(わけい)」も、1年生から生活科で指導する。「○○は△△にくらべて、大きいです」「ぼくは(わたしは)、~だとおもいます。りゆうは、…だからです」といった「思考の型」を教える。3年生以降も徐々にレベルを高めながら、話型の指導は続く。
 「くにごメソッド」の利点として見逃せないのが、若手教師でも比較的簡単に、授業に問題解決の流れを取り入れられることだ。3年生担任の今村智香先生は、4年前、同校に新卒採用で赴任した。08年度まで低学年の担任を務め、09年度に3年生担任となって初めて理科指導を経験した。指導計画の作成では、このメソッドが役立ったと話す。
 「初め、授業の流れを考えることに最も苦心しました。何とか形に出来たのは、先輩方の授業を見せてもらいながら、メソッドの流れに沿って大事な観点を見失わないように心掛けたことが大きかったと思います」
 科学的リテラシーは、6年間の一貫した指導を通して身に付くというのが同校の考えだ。そのためには、教師による指導のぶれをなくすことが不可欠で、その点でも、「くにごメソッド」の役割は大きいと言える。

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