京都市は早くから小学校英語活動の研究に着手しており、1997年度から3年をかけて、英語活動をすべての市立小学校に導入した。
02年度には、市が作成した年間指導計画並びに各単元を示した指導案を全小学校に配布。担任主導で進める英語活動を推奨し、「インタラクティブユニット」を用いた電子黒板の導入にも積極的に取り組んでいる。
藤村徹先生が養正小学校に校長として赴任した07年当時、年12時間の英語活動はALTにほぼ任せきりとなっていた。
「英語活動の時間に担任は教室の後ろに立っていました。担任の教師が『傍観者』になってはいけないと、危機感を持ちました」
そこで藤村校長は、英語活動の時間を年20時間とし、増やした8時間は担任一人で実施させることにした。更にALTと一緒に行う12時間も担任が主導するように改革を図った。
担任主導で英語活動を実施する意義について、藤村校長はこう説明する。
「担任に求められることは、英語を上手に話すことではありません。簡単な英語で、身ぶり手ぶりを交えてでも、伝えようとする姿を見せること、そして、それでも意思疎通が出来るのだと示すことが重要です。また、子どもたちの学力、個人差、性格などに合わせて指導計画を構成し、より効果的な英語活動を行うことが出来るのも担任だけなのです」
担任主導の英語活動では、電子黒板が有効なツールとなるという。電子黒板では、「英語ノート」付属の電子黒板用ソフトを用いて、「英語ノート」に盛り込まれた内容を音と映像を使って表現することが出来る。
「ALTは不在だが、ネイティブスピーカーの発音を聞かせたいという場合、電子黒板を用いれば、声とそれに対応した表情・動作を同時に見せることが出来ます。そのため、英語に苦手意識を持っている先生ほどその効果を実感しているように感じます」(藤村校長)。
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