つながる学校と家庭の学び
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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夢の実現に向け何が出来るかを考える

 扇田小学校のキャリア教育において大きな役割を果たすのが、「夢カード」(図1)だ。低学年用、中学年用、高学年用の3種類があり、毎年4月に全校児童に1枚ずつ配布される。
図1:「夢カード」の例(高学年用)
夢カード 表面
▲表面(二つ折り)
夢カードの表面の記載事項は、夢が実現した時のイメージ図、その夢を選んだ理由、夢メーターなど。夢メーターには子どもによる一言コメントが付いている
夢カード 裏面
▲裏面
夢カードの裏面の記載事項は、将来の夢、学校と家庭それぞれでの目標、教師・保護者からのコメント欄など。高学年用には、「人生設計」欄が設けられている
※上記の加工可能な資料がダウンロードできます
■夢カード(高学年用)表面 一太郎ダウンロード(83KB)
■夢カード(高学年用)裏面 一太郎ダウンロード(44KB)
■夢カード(中学年用)表面 一太郎ダウンロード(72KB)
■夢カード(中学年用)裏面 一太郎ダウンロード(40KB)
■夢カード(低学年用)表面 一太郎ダウンロード(49KB)
■夢カード(低学年用)表面 一太郎ダウンロード(58KB)

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 まず記入するのは、将来の夢だ。そして、夢をかなえるための、学校と家庭それぞれでの目標を記入する。保育士を目指す子どもは、学校での目標を「低学年の面倒をしっかり見ること」、家庭での目標を「お母さんのお手伝い」と書いていた。
 「夢に直結する目標を記入する必要はありません。大切なのは、自分に今できることは何かを意識して生活することです」(津谷先生)
 そのため、夢カードに設けられている担任からのコメント欄では、規則を守ったり、クラスでの係や当番などの責任を果たしたりすることの重要性に関する内容が多い。
 夢カードには、子どもが自分の生活を振り返る「夢メーター」欄も用意されている。これは、1カ月ごとに目標をどの程度達成できたかを自己評価する欄だ。
 「夢と目標を書くだけでは、何を書いたのかを忘れてしまうこともあります。夢メーターは、自分の行動を定期的に顧みることによって、子どもに夢と目標を再確認させるために設けました。子ども自身がどこまで生活や学習の課題を認識しているかを担任が知る上でも、役立ちます」(津谷先生)
 子どもが夢カードを記入するのは、キャリア教育の時間だ。特に4月は、夢と目標を決定し記入するため、1時間すべてを夢カードの記入に使う。
 夢カードには、保護者のコメント欄もある。
 「保護者からは、夏休みと冬休みに1回ずつ、励ましのコメントをもらいます。夏休み前の三者面談では、担任が保護者に夢カードを渡し、学校で子どもがどのように夢に向かって努力しているかを伝えています」(津谷先生)
 宮野先生は、保護者のコメントについて次のように説明する。
 「保護者のコメントは、『毎日よく頑張っているね』『その調子で努力を重ねれば夢に近づけるよ』など、子どもの頑張りを評価する内容です。子どもにとって、保護者に努力を認められることは、何よりの励みとなります」  夢カードは年間を通して使用する。古いものも、各自が「夢ファイル」にとじて保存している。つまり、夢ファイルを見れば、夢にどのように取り組んできたのかを複数年に渡って確認することが出来るのだ。

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