[2] 学力調査を活用する
文部科学省による「全国学力・学習状況調査」の問題(*5)には、今後、子どもに求められる力を示すヒントがちりばめられています。しかし、調査をしただけで終わったり、調査結果から子どもの実態を把握することだけにとどまったりして、指導改善に生かしきれていない学校が多いようです。
例えば、07年度の「国語A」に、「べっこうあめ作り」の感想文を個条書きの説明文に直し、空欄に記述する問題が出されました。解答するには、「こげなくてよかったです」といった主観的な記述が含まれる文章から、事実のみを抜き出す力が必要です。この問題は、言語の機能や表現の様式を理解させて、目的に応じて使い分けられるようにするという新学習指導要領のねらいと合致しています。また、09年度の「国語A」には、理科の実験報告文に小見出しを入れる問題がありますが、これは各教科が連携して言語活動の充実を図るというねらいを具体化していると考えて良いでしょう。
こうした学力調査の「メッセージ」をしっかり受け止め、今後、子どもに求められる力を理解することに役立ててください。
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