つながる学校と家庭の学び
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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行動を振り返らせ子ども自身にも成長を実感させる

 子どもが、自分の学習習慣がどの程度改善されたかを振り返る機会としては、1学期と3学期の年2回、全校で「こころのアンケート」を実施している。
 同校では、以前から自尊感情を測る目安としてこのアンケートを実施していたが、中村校長は学習習慣の定着度も測れるように質問項目を工夫した。現在は、「勤勉性」「学習達成の程度」「自分の成長を感じるか」などの項目について、子どもが自己評価する。
 「アンケート結果を見ると、大半の子どもが、自分が『成長している』と感じています。その実感は、自尊感情を育む上でも役立っているでしょう。続けていけば、今以上に成長することを望み、努力を惜しまない子どもたちになると思っています」(中村校長)
 アンケートの直後には、「カウンセリング週間」を設けている。教師が一人ひとりの子どもとアンケート結果について面談する機会だ。多くの子どもは、「計算ドリルを毎日コツコツやっていくうちに、とても速く計算出来るようになった」「苦手だったリコーダーを家で繰り返し練習して、吹けるようになった時はうれしかった」など、努力する楽しさについて話すという。
 1学期末の保護者面談では、子どものアンケート結果とカウンセリング週間での様子を伝える。その際、子どもが何を悩んでいるかも伝える。保護者が、把握していなかった子どもの側面に気付くこともあるという。
 これらの取り組みの成果は、確実に数字に表れている。09年度の「全国学力・学習状況調査」の結果を基に、中村校長は次のように説明する。
 「国語も算数も前年度より成績が上がりました。生活習慣についても、毎朝決まった時刻に起きる子どもや、家庭での学習習慣が身に付いている子どもが増えています。家庭も含めた生活習慣の改善に、これからも取り組んでいきたいと考えています」

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