ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
意欲的に学習を進めていく児童の育成
第三日暮里小学校
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「意欲的に学習を進めていく児童の育成」
─算数・理科の習熟度別学習を通して─
1.本校の習熟度別学習概要
(1) 概要
<1> 研究主題と習熟度別学習
 「意欲的に学習を進めていく児童の育成」~算数・理科の習熟度別学習を通して~
 本来、子どもたちは、よりよく学ぼう、よりよく生きようとする意欲をもっている。子どもたちの伸びようとする芽を大切にし、どのように学習すればよいか、その道筋を示すことは大切である。本研究では、児童が自らのつまずきや課題を見つけたり、自分の興味・関心のある課題をより深めたりできるよう、自分の課題を自分でつかむ能力(自己評価能力)の育 成を中核に据え、研究を進めてきた。児童の習熟の程度に応じた学習(習熟度別学習)を通して、自己評価能力を伸ばし、研究主題「意欲的に学習を進めていく児童の育成」を図ろうと考えた。
<2> 三日小の習熟度別学習
 本校の習熟度別学習は、児童自らが自分の学習状況を判断し、自分にあった課題を選択し、学習するものである。一方教師は、児童の自己評価とともに、観点別評価基準表に基づいて、児童の学習状況を的確につかみ指導にあたる。児童の学習内容の習熟の程度は、幅広いもの がある。一人一人に応じた学習を進めるためには、指導の学び方や理解の速さ等、児童の学 習スタイルに応じた学習形態が必要となる。本研究では、単元全体を通し、児童の習熟の程 度に応じた学習を進めようと考えた。単元途中の学習スタイルに応じた学習を「コース選択 学習」と呼び、小単元末・単元末の復習・補充・発展学習を「課題選択学習(算数)・問題 別学習(理科)」とした。どちらも、自己評価をもとに、児童自身が自分に合ったコースや 課題を選択するものである。
(2) 内容・方法
<1> 習熟度別学習「さんにちプラン」について
 一単元の習熟度別学習の流れをまとめた「さんにちプラン」は、以下のようである。
 1) 児童の実態把握
始めにプレテストやレディネステストを実施し、児童の実態を把握する。


 2) 評価・指導計画
評価規準を基にして、4観点の評価基準を作成する。作成にあたっては、学習指導要領の理解、教材研究、評価の方法等を検討する。評価基準の「A」基準は「学習指導要領を超えた内容を含む」、「B」基準は、「学習指導要領の内容」、「C」基準は「あと一歩」と考えた。また、一時間一時間の授業の中に、評価の重点観点を考え計画した。


 3) 学習展開の計画
コ-ス選択学習と課題選択学習の計画を立てる。指導の流れや、単元のどこでコ-ス選択学習を取り入れるかを検討する。小単元末や単元末には、課題選択学習を取り入れる。
 (展開例)
 第3学年 指導計画 「わり算」 5月中旬~6月上旬 (14時間)
 単元計画
一人分の数をもとめる計算 何人に分けられるかをもとめる計算
レディネス 全 体 全 体 コース コ-ス選 択 全 体

まとめ 何倍か ま   と   め
10 11 12 13 14
コース 全 体 ふりかえり 課 題 選 択  

評 価 規 準 学 習 内 容
  レディネス問題をする。





(関)身の回りの事象からわり算への興味関心を高めようとする。
(表)等分除の事象を除法の式に表すことができる。
(知)等分したときの1人分の数を求めることを除法の式に書くことを理解している。
日常生活から「分ける」ことを話題として取り上げる。
等分の意味を考える。
12個のクッキ-を3人で等分すると1人分は4個になることを12÷3=4と式に表すことができることを知る。
(関)等分除の答えを見つけるのに、乗法の九九を使おうとする。
(表)等分除の答えを乗法を使って見つけることができる。
24÷6は、□×6=24の式から除数の段の九九を使うと答えが見つけられることを理解する。
(表)包含除の事象を除 挿絵から、等分との違いを確認する。


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