ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
意欲的に学習を進めていく児童の育成

荒川区立
第三日暮里小学校
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 4) コ-ス選択学習
解決の見通しがつかない児童が教師のきめ細かな支援でじっくり考えるの実施コ-スとして、算数では、「じっくりコ-ス」理科では、「先生とコ-ス」を設定した。解決の見通しがつくが不安な児童には、教師のヒントや児童同士の情報交換から、解決の見通しを確実にするコ-スとして、算数では、「ヒントコ-ス」、理科では、「友だちとコ-ス」を設定した。さらに、解決の見通しが最初の段階から確実につく児童には、「興味・関心」や「思考・判断」を伸ばし、発展的に取り組ませるコ-スとして、算数では、「自力コ-ス」、理科では、「自分でコ-ス」を設定した。コース選択の場面では、ふりかえりカードを活用します。「ふりかえりカード」は毎時間末、「どんなことが分かったか」「誰の考えがよかったか」「どんなところで分からなくなったか」などを記述させ、一時間一時間の習熟の程度や、次時の課題を明確にし、適切な自己評価のもと、自分に合ったコース選択ができるようにした。一方、教師は、毎時間の授業を評価計画に沿って、4観点の評価基準表から、児童一人一人の学習状況を適切に評価し、個人データ表を作成する。データ表とふりかえりカードを合わせながらコース選択のアドバイスをする。コースを分けることで、児童、一人一人が自分の学習スタイルに応じた学習ができる。また、教師は、児童の個性にあった、よりきめ細かな支援ができるようになった。
 5) ふりかえりテストの実施
小単元末や単元末に、「ふりかえりテスト」実施する。「ふりかえりスト」は、そこまでの学習の成果を確かめることができる問題を用意する。実施後、すぐに、児童自身が採点し、学習内容の習熟の程度を自己評価し、自分に合った適切な課題を選択できるようにした。
 6) 課題選択学習
基礎的基本的な内容の習熟が不十分な児童には、「復習」を中心とした課題を用意し、教師とじっくりと取り組めるようにした。 また、学習内容の習熟がある程度、図れている児童には、学習の定着の範囲を広げる「補充」課題を用意し、「表現・処理」、「知識・理解」の2観点を重点とし、さらに、伸ばせるようにした。学習内容が確実に理解できている児童には、発展を中心とした課題を用意した。また、学習内容によっては、学習指導要領を超えた課題を用意し、児童の「興味・関心」や「思考・判断」の能力をさらに伸ばそうと考えた。算数では、復習課題を「ぐんぐん」、補充課題を「ばりばり」、発展課題 を「チャレンジ」と名付けた。また、「課題選択学習」は、理科では「課題」と「問題」のとらえ方がちがうため、「問題別学習」と名付けた。また、問題に対する児童の追求の広がりがちがうため「補充問題」と「発展問題」の2つに大別し、「補充問題」の中に、「復習問題」も含めて考えた。それぞれの課題選択は、「ふりかえりテスト」によって児童自身が選択する。一方、教師は、個人データ表とふりかえりテストを基に「復習」「補充」・「発展」の課題を作成したり、適切な課題選択ができない児童にアドバイスしたりする。「課題選択学習」を通して一人一人の習塾の程度に応じながら、児童一人一人の学力の向上を図ろうと考えた。
 7) まとめと評価
単元最後の総括テストの結果と、小単元末や単元末の個人データ表を比較することによって、課題選択学習(問題別学習)の成果を図ることができる。「復習」課題が達成できない児童が多い場合は、全体で再度、課題選択学習を設定し、基礎・基本の確実な定着を目指す。
 
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