ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
意欲的に学習を進めていく児童の育成

荒川区立
第三日暮里小学校
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2.成果と習熟度別学習の推進に向けて
(1) 成果
〇「児童の自己評価能力が高まった」
 「ふりかえりカード」や「ふりかえりテスト」を実施することで、自分のつまづきや新たな課題を見つける力が高まってきた。そのことにより、適切なコース選択をする児童が増えてきた。
〇「児童の実態に応じた学習の工夫ができるようになった」
 昨年度、研究の中心として取り組んできた小単元または単元末の課題選択学習に加え、今年度は単元途中のコース選択学習のあり方も研究してきた。その結果、児童の学習スタイルに応じた学びがさらにできるようになった。
〇「評価と指導の一体化が図れるようになってきた」
 評価規準に基づく共同評価や児童による自己評価、相互評価などによる情報をもとに、個に応じた支援計画がある程度見通せるようになってきた。それを受けてあらかじめ具体的な支援の方法を考え準備しているので、児童のつまづきに対してもすぐに対応することが可能になった。
 「児童が適切なコース選択や課題選択ができるようになり、教師も児童の実態に応じたコース設定や課題設定ができるようになる。」「それぞれのコース学習や課題学習では、個に応じた支援が素早くできるようになる。」という成果が、最終的には児童の学力向上につながっていった。単元によりやや違いも見られるが、学習が進むに連れて、おおむね、難易度の高い単元ではC評価からB評価へ。難易度の高くない単元ではB評価からA評価へと学力向上する児童が多く見られた。
また、本校の習熟度別学習については、保護者会、学校便り、授業公開などを通して、保護者への説明を行っていった。そして、アンケートを実施し意見や感想を伺った。
その中では、習熟度別学習に対する否定的な意見は全く見られなかった。回答いただいたものの中からいくつかを紹介する。

・自分のわからないことをそのままにしてしまうことが少なくなった。学校ですることを復習するようになった。
・習熟度別学習でも友達同士の教えあいなどがあり、よかったです。
・消極的な子も恥ずかしがらずに質問したり、意見を言ったりしている姿にはびっくりしました。
(2) 習熟度別学習の推進にむけて
〇「教材開発をさらに進めること」
 特に、発展問題はどのようなねらいで作るのか、評価基準をどのように設定するのかなど、今後さらに深めていきたい。
〇「学習スタイルに応じたコースをどのように設定するか」
 コース選択学習を取り入れたことは大きな成果の1つではある。しかし、児童の実態にさらに応じるためのコースはどのようなものがいいのか、コース選択のさせ方、教師の関わり方などは、まだまだ改善していきたい。
 
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