成田小学校では、折りにふれ、成田山新勝寺表参道に出て、当地を訪れた外国人と英語でコミュニケーションをする活動を実施している。あるとき、6年生が外国人から「How
long have you been learning English?」と質問されて、「6years」と堂々と答えていたという。
「その会話そのものは教えていないのですが、How longとlearning Englishで、『どれくらい英語を勉強しているか聞いているんだろうな』と推測して答えているのです。私たち大人も、外国人の話している英語を完璧に理解はできないけれども、いくつかの単語や文章をとらえ、そこから想像して理解しているのです。小学校から英語を勉強していくと、そういう力を育てることができると思います」
小学校の英語科学習に不安を感じている先生方には、こうした外国人の前でも堂々と振る舞っている子どもたちの姿を見ることによって英語の必要性が実感できるのだという。
「小学校からでは子どもに負担になるのではないかという声も少なくありませんが、私はむしろ、中学校に入ってからいきなり、『聞く・話す、読む、書く』の学習を同時にスタートしたのでは、子どもの負担になると思います。内容も膨大だから、中学校の先生たちは、いきおい、『暗記しなさい』になってしまう。そういう勉強を続けていくと、受験が終わったら、やめてしまう。羞恥心のあまりない小学生のうちに、たくさん『聞く』『話す』を中心とした学習をする意味はあると思います」
佐藤先生は、小学校の英語科が教科として位置づく日を待望している。 |