城南小学校で本格的に英語活動の研究を始めたのは、02年度から。髙木善彦校長の強い思いがあってのことだ。海外日本人学校時代と教員以前の経験を合わせて約9年間の海外生活の経験がある髙木校長は、一貫して国際理解教育や小学校英語教育の研究・開発にかかわってきた。
前任校は、東京都の国際理解教育推進校の品川区立清水台小学校であるが、そこでの経験から、英語活動によって伸びるのは英語力そのものより、別の面であることがわかったという。
「皆、はじめて学習するので、何でも言いやすいし、間違ってもはずかしがる子どもはいません。そのような英語活動を続けた結果、他の授業でも、発言することを恐れない子どもが育ってきました。友だちのことがよくわかるようになり、いじめなどもなくなりました」
実際、城南小学校で実践してみても、英語活動での自信が他教科にもよい影響を及ぼし、全体に学力面での伸びが見られた。また、活動のなかで「サンキュー」「プリーズ」をさかんに使うので、日本語の日常会話でも自然に感謝の気持ちを表すようになり、学校生活が円滑になったなどの副産物が大きいという。
だから、
城南小学校の英語活動のいちばんのねらいに、「英語を通してコミュニケーション能力を育てる」ことを掲げたのだ。
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