品川区内の全公立小学校では、小中一貫教育が始まる06年度から、1、2年生で年間20時間、3~6年生で年間35時間を標準に英語学習を実施します。
小学校で英語科を導入するからといって、これまでの中学校の英語科の学習を前倒しにするつもりはまったくありません。「聞く・話す」を中心にした学習で、あくまでも実践的なコミュニケーション能力を育成するための「英語科」です。
では、なぜ、「英語科」として教育課程に位置づけるのか。それは、これまでの英語活動が、歌やパフォーマンス、ALTと楽しく遊んで…で終わってしまい、なんのための活動か、どんな力をつけたいのかといったねらいも成果も明確になっていなかったとの反省があったからです。
したがって、教育課程に位置づける以上は、先生方にはきちんと評価してもらいます。評価に必要な評価規準もつくりました。コミュニケーション能力をつけるための4観点、すなわち、「関心・意欲・態度」「理解力」「表現力」「言語や文化についての知識・理解」を1年生から9年生まで明確にして、系統的に育てていこうとしています。
系統的といっても、小中のつなぎ目をどうするかという疑問はあるでしょう。
例えば、「あいさつ」「好きなもの」というようなカテゴリーを12選び出し、その枠のなかで学年が上がるごとに難易度の高い表現が出てくるようにしてあります。しかもその内容は、他の研究開発校などの実践で成果が上がり、子どもたちの反応がよいものを精選しました。これらをくり返し学習することで、自然に文法的な系統性もでき、中学校へとつながると考えています。中学校でも、小学校の指導法を考慮に入れながら、両者のギャップを埋めるようにしていきます。(談)
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