那覇市の英語教育の第1の柱は、小学校に「英語科」を設け、音声指導に徹した授業を行うことだ。つまり、「たっぷり聞かせる」ことを目指し、文字指導は行わない。
3年目の今年度はかなり安定した授業が進められているが、初年度は混乱も少なくなかったと那覇市教育委員会で英語教育の研究開発を担当する高良政幸指導主事は言う。
「『なぜ小学校で英語を教えなければならないのか』という疑問の声が強かったのです。だから初年度は、英語指導員(AET、JTE)に任せっきりの担任も多かった。AETやJTEは、担任とTTをするということで派遣されていますから、そちらからも不満が出てくる。各学校の研究主任を集めては繰り返し説明し、また、学校に出向いては理解も求めてきました。
那覇市では、毎年、1校で3分の1近い先生が異動します。市内の異動なら影響は少ないですが、他地区からの異動者には戸惑いがあります。那覇市の英語教育の方針を理解してもらい、それを早く解消するような校内体制づくりを各学校に求めてきました。3年目の現在、ようやく軌道に乗ってきたといえます」
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