小学校英語活動 Vol.3 沖縄県那覇市
WEB版 VIEW21[小学版] 教育情報レポート ~小学校英語活動~
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90%以上が英語の時間を楽しいと回答、リスニングテストの結果も良好

 現在那覇市の小学校英語は、1~6年生まで、週1回(一部3年生以上週2回)45分授業を実施している(表3参照)。安定した授業が行われることで、結果も目に見えてきた。 

05年7月に市内の小学校で実施した児童へのアンケート調査(表1)の結果によると、「英語の時間は楽しいですか」という問いに93.5%が「はい」と答えている。さらに「英語の時間にできるだけ英語を使って話そうとしていますか」には71.9%が「はい」と答えており、単に楽しいだけでなく、児童の自信とも結びついていることがわかる。さらには、「英語を今よりももっと聞けるようになりたいですか」にも93.6%が肯定している。

▼表1 小学生に対する英語教育アンケートから(1~6年生)

質問に「はい」と答えた児童の割合(%)

質問事項

2003年度
7月

2004年度
7月

2005年度
7月

1.

英語の時間は楽しいですか

95.0

93.1

93.5

2.

英語の時間にゲームをしたり歌を歌うことは楽しいですか

95.7

93.3

92.9

3.

先生のあとから英語をまねしたりできますか

82.7

85.7

84.8

4.

先生が話す英語を聞いてだいたい何を言っているか意味がわかりますか

58.2

65.9

68.8

5.

英語の時間にできるだけ英語をつかって話そうとしていますか

66.3

71.6

71.9

6.

英語を今よりももっと聞けるようになりたいですか

93.5

93.7

93.6

7.

英語を今よりももっと話せるようになりたいですか

93.5

92.9

93.9

8.

英語の時間がもっとあったらいいなと思いますか

85.5

82.8

80.9

9.

ともだちや家族に対して知っている英語を使ったことがありますか

68.7

73.2

71.6

10.

世界のいろいろな国の人とともだちになりたいですか(交流したいですか)

84.2

83.1

83.8

11.

外国にいってみたいですか

81.2

78.6

81.3

調査対象:2003年度20,701人 2004年度20,424人 2005年度20,928人

 また、中学1年生を対象に4月に実施したリスニングテスト(内容は英検5級程度)の結果は表2のようなっている。例えば、小学校6年生時に45分授業を週1回受けてきた児童の正解率は04年4月調査で62.8%と、6割を超えている。また、小学校5、6年生時に45分授業を週1回受けてきた児童への正解率は、05年度4月調査で、71.0%の正解率を得た。市教委の予測通り、1年間英語教育を受けた生徒より2年間学んだ生徒のほうが「英語の耳」を身に付けていることがわかり、那覇市の先生方は、音声中心の英語教育に手応えを感じている。

▼表2   中学1年生に対するリスニングテスト(英検5級程度)の正解率(%)

小学6年生時の英語学習指導形態

2004年

2005年

4月

11月

4月

45分授業で週1回実施した小学校の出身者(A・Cタイプ)

62.8

74.8

71.0

30・15分のモジュール学習を週2回実施した小学校出身者(Bタイプ)

63.4

73.7

75.0

45分授業で週2回実施した小学校の出身者(Dタイプ)

61.2

73.0

78.0

2004年度調査の生徒は、小学時代1年間英語教育を受けてきたもので、2005年度調査の対象は2年間受けてきている生徒。なお、2004年度4月から11月の伸びは、中学校教育の成果といえる

「リスニングテストの結果だけでなく、小学校時代に英語の授業を受けてきた生徒は、英語への興味・関心や授業中の反応が、これまでの生徒とはまるで違っているということを中学校の英語の先生から聞いて、『本当にこれでいいんだと』確信しています。もちろん、中学校の先生からは、アルファベットくらいは書けるようにしてきてほしいとの文字指導の要望はありますが、それに対しては、『それは中学校の指導範囲』ということで対応しています。それよりも中学校の先生方は、中学校の指導方法自体の変革を早急に迫られていると感じているのではないでしょうか」(高良指導主事)


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