那覇市では36の小学校、17の中学校全部で文部科学省開発学校の指定を受けている。まさに全市を挙げての研究のため、教育委員会が強いリーダーシップを発揮しているが、小・中合わせて53校もある大所帯での研究を効率的に進めるために考えられたシステムが、拠点校(コラム1、松川小学校参照)とその拠点校を中心としたグループづくりだ。
まず、小学校に5つ、中学校に3つ拠点校が置かれ、拠点校を中心に近隣の数校を合わせた研究グループが形成されている。その拠点校には、それぞれ英語科教員の加配が行われている。そのうちの小学校拠点校5校には、小中交流事業の一環として、中学校の英語教員を3年間の期限付きで派遣。実はこの5人が研究推進に重要な役割を果たしている。
その役割の1つは、拠点校で「研究主任」として教育委員会とのパイプ役になって校内研究を進めること。JTEとして自らも授業を受け持ちながら、担任とAETの橋渡しもする。
もう1つが、グループ研究会のリーダーの役割である。つまり、研究会をコーディネートし、グループ校に教育委員会などの情報を提供したり、グループ研究会ではアドバイスも行う。
グループ研究会の主な目的は、情報交換と教員のスキルアップ。グループ内の学校が持ち回りで授業を公開し、授業の批評をし合いながら、よりよい指導法を探っていこうとしている(コラム2、泊小学校参照)。市教委では、各先生に、年1回は必ずグループ研究会に参加するように求めている。5月に各学校の研究主任が集まって計画を作成、スケジュール調整を行っている。
ちなみに、グループ研究に当たっては、ABCD4種類の指導形態による研究を試みている(表3参照)。04年度は同じ指導形態の学校ごとにグループを分けたが、それでは他の指導形態を学べないとの反省から、05年度はそれぞれの指導形態が混在したグループ分けにした。
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