グループ研究会の一端を市の北西部にある泊小学校で見学した。
泊小学校は小学校第4研究グループ。指導形態は週1回45分授業を行うAタイプである。
公開された授業は2年生。学級担任の嘉手苅克美先生とJTEの高谷徹先生とのTTで行われた。授業の中心は、動作やゲームを通じて、Clap
your hands.(手をたたいて)Raise your hands.(手を挙げて)Make a circle.(輪になって)といった、英語の授業中によく使われる指示の表現に慣れさせることだ。
05年7月に行った市教委のアンケートで、同クラスでは、「先生が話す英語を聞いて何を言っているか意味がわかりますか」「英語の時間にできるだけ英語を使って話そうとしていますか」に、「いいえ」と答えた児童がそれぞれ約45%、「ともだちや家族に対して知っている英語を使ったことがありますか」に至っては、約77%が「いいえ」と答えた。この結果をもとに研究課題を設定したのだという。「間違ったら恥ずかしい」という子どもたちの意識を変え、「間違ってもいい、どんどん話そう」という気持ちにさせるのが授業のねらいだ。
授業中は、高谷先生との授業がまだ2回目ということもあって子どもたちは少し戸惑い気味。だが、絵カードや2人の先生のデモンストレーションなどから、だんだん流れに乗っていき、率先して手を挙げる子がどんどん出てきた。
授業後、「内容が盛りだくさんだったかもしれません」と嘉手苅先生の反省から始まり、授業を巡って質疑が交わされた。
「JTEと担任が同じくらいのウェイトで授業にかかわっていてよかった」「前に出てアクションをしようと手を挙げる子が多くてよかった」などの賛辞と同時に、「JTEの口調が早すぎて、子どもたちが聞き取れなかったのではないか」などの、忌憚のない意見も出された。また、「どうすればよいかわからないとき、“Help”と言って援助を求める方法を教えたほうがよかったのでは?」「長いフレーズが言いにくそうだった。リズムを取りながら言わせたらよいのでは?」などのアドバイスも出た。
さらに、授業の最後に行われた大型絵本の英語による読み聞かせについて、「内容が理解できたか気になる。担任の先生などによる日本語での解説の必要はないのか?」の質問が出された。それに対しては、グループ研究リーダーである仲井真小学校の兼久綾子先生から、「子どもの想像力をかきたてるためには、逐語訳はしないほうがよい」とのアドバイス。そのほか、国際理解とはどういうことなのかという本質的な内容から、指導案の書き方などの細かい点に至るまで、時間いっぱいに使って討議が行われた。
こうした研究会を各グループで年4~7回実施している。校内研究会や英語教育関連の講演会などと併せて、確実に先生方のスキルアップへとつなげている。
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