小学校英語活動 Vol.3 沖縄県那覇市
WEB版 VIEW21[小学版] 教育情報レポート ~小学校英語活動~
  PAGE 8/9 前ページ  次ページ

●担任はまずあいさつから

 平安名先生は採用2年目の若い先生だが、子どもたちに元気がなければAre you ready ? と発奮を促し、正解したらGood job !と自信を持って子どもと向き合っていた。長嶺和子校長によると、3分の2以上の先生が英語の授業に自信をもっているという。しかし、研究1年目はそうではなかった。担任の先生方の多くは教室の後ろにいて、授業見学者のようなスタンスで、「前に来てほしい」と頼んでも、「何をすればいいのか」と尻込みをされたという。

「先生が尻込みするのは、何をすればいいか分からないからです。ですから、役割をはっきりさせました。まずはあいさつからということで、雰囲気づくりをお願いしました。そして、授業のシナリオをつくり、担任の先生に話してほしいところにマーカーをつけてお渡ししました。それも、What's this? It's~.のような対話の場合、同じ質問を担任の先生に繰り返してもらい、答えを私が言うようにしました。しかし、それにも慣れてきたので、これからは紙のシナリオをなくしていこうと考えています」(棚原先生)


  研究1年目から先生方を見てきた崎濱秀一教頭も、「最初は、AET、JTEがT1で、担任の自分はT2なんだという意識が強かったと思います。それが、今では、本当の意味のチームティーチングを行うという意識になっていると思います」と言う。

 松川小学校のTTが円滑に運んでいる背景に、毎週金曜日の学年会で、翌週の授業について綿密に打ち合わせをしていることがある。シナリオをつくるというのは前述の通りだが、そのほかに教材準備などの打ち合わせも行われる。日本語を十分に話せないAETのローラ先生のために、棚原先生は学年会前日の木曜日に2人だけのミーティングを行う。それ以外にも、毎朝、少しの時間を見つけては打ち合わせをする。

「英語指導員が2人いて、さらにJTEの棚原先生がコーディネーターの役割を果たしてくれる。こんな有り難いことはないですが、ただ、研究期間終了後の体制が不安です。英語教育を進めるなら、まず体制を整えることが重要だと思います」(崎濱教頭)

写真
左から、長嶺和子校長。05年4月石垣島から松川小学校へ赴任。「外から那覇市の英語教育を眺めていて、市ぐるみで取り組む強みがわかりました」右は、崎濱秀一教頭。研究開始の03年度に赴任。先生たちの年ごとの成長を目の当たりにしてきた。中央は、 研究主任の棚原歩先生。中学校から3年間の期限付きで派遣されている。

  PAGE 8/9 前ページ  次ページ