公開された授業は、京都市のカリキュラムの特徴の一つ、「コミュニケーションをするためのタスク」を大事にした授業である。
タスクとは、「ある目的のために行う、経験、活動」といったような意味で、外国語教育のなかでは、1980年代から取り入れられているもの。
「今日は○○という会話ができるようになる」というのが授業の目標ではなく、「ビデオレターをつくる」という目標に向かう過程で、英語を使い、意味のやりとりをする。それは、ただ英語のフレーズをドリル的に教えるよりも効果があるだろうという仮説のもとに行われている。
今回公開された、「ビデオレターを作ろう!」のタスクは、かなり高度なもの。レターにどんな英語を入れるかの選択肢は子どもたちに委ねられているし、ビデオというメディアを通すために、対面のコミュニケーションとは違う難しさが加わる。フィードバックはすぐにこないし、視聴者に明確に伝えるための技術がいる。しかし、相手に伝えるためにきちんと英語を練習し、ハッキリ話そうという目的意識も生まれてくる。英語を使ってこんなこともできるという一つの可能性を示してくれた新しい挑戦であった。
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