小学校英語活動 Vol.8「英語が使える日本人」育成のためのフォーラム2006(in 横浜)より
WEB版 VIEW21[小学版] 教育情報レポート ~小学校英語活動~
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明確なビジョンをもとに進められる2つの自治体の活動
文部科学省初等中等教育局教科調査官
菅 正隆先生のコメントより

  なぜこの分科会で2つの地域を紹介したのか。
  その理由は、決して裕福とはいえない自治体なのに、明確なビジョンのもと、きちんと予算を確保して英語教育に取り組んでいるからです。特に寝屋川市は、苦しい財政のなか、毎年小学校の先生12人を海外研修に派遣しています。
  つまり、この自治体が、将来、子どもたちをどのように育てたいのかのビジョンがよく見えてきます。彼らの未来を、この町の将来をなんとかよくしたいという熱いものが感じられました。いま財政が苦しいからと教育費を削っていたら、子どもたちの未来はありません。 
  中教審外国語専門部会で「だれが小学校英語を教えるか」という件に関しては、担任が中心に授業を行い、ALTがその補助をするという方向に議論が進んでいます。しかし、全国に40万人いる小学校の担任の先生に、教えなさいと言っても、すぐにできるようにはなりません。自分の英語力をはじめとして、たくさんの不安を持っています。2つの市はそうした不安を真正面から受け止めてケアしていっている。例えば「私の発音はこれでいいのか」と悩んでいる先生に、大牟田市のように家に居ながらにして学べるソフトを作って配付している例を見て、「教育委員会もなかなかやるな」と感じます。
  2つの自治体の今後の課題は、現在取り組んでいる多くの施策を精選していくこと。また、その成果を、客観的な数値で示されていくとよいのではないでしょうか。


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