小学校英語活動 Vol.8「英語が使える日本人」育成のためのフォーラム2006(in 横浜)より
WEB版 VIEW21[小学版] 教育情報レポート ~小学校英語活動~
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実践事例2 福岡県大牟田市

市教委による教員サポート態勢の充実で
学級担任が自信を持って進める英語活動

小学校教員の中からECTを指名

 大牟田市は福岡県最南部の有明海に面した人口13万人の町。教育特区や文部科学省開発学校の指定を特に受けてはいないが、2000年度から24ある市内の全小学校で、「総合的な学習の時間」等を利用した英会話活動に取り組んできた。
  実施した理由は、(1)中国・大同市や米国ミシガン州・マスキーガン市・郡と姉妹都市の国際交流を推進しているためと、(2)学校・自治体の特色づくりを進めるための2つだ。
  現在、英会話の時間を6年生で年35時間、5年生20時間、3、4年生15時間、1、2年生10時間実施しているが、06年度から3年生以上は全て週35時間実施にする予定。
  指導者は担任中心だが、特色としては、ECT(English Conversation Teacher)を指名し、担任+ECT、担任だけで指導するなど、多様な指導態勢をとったことが特色として挙げられる。ECTは、小学校の先生のうち、英語の免許を持っていたり、英語が堪能であったりする先生の中から指名。当初、自校のほかに複数校を受け持つECTもいたが、現在はどの小学校も自校にECTを抱えられるようになった。
  そのうえで、まず、6年生にはLGT(Language Guest Teacher)を、1~5年生には02年度から小学校専属ALTを、それぞれ年に3~4回程度派遣し、ネイティブスピーカーが加わる英会話の授業を進めている。LGTはもとALTで、しかも自国の小学校で教えたことがあり、日本語も堪能である人のことで、きわめて優秀な人材に限定している。

英語力や指導力に不安を持つ教員を徹底サポート

 大牟田市は05年度、文部科学省「小学校英語活動地域サポート事業」に認定された。「大牟田市英語活動推進協議会」のもと(1)学級担任が自信を持って進める英語活動(2)子どもが楽しく意欲的に取り組む英語活動の2つのテーマに取り組んだ。
  とりわけ、(1)に関しては、これまでの実績を踏まえ、「授業研」「理論研」「推進研」「英語力研」「交流の場」の5つの研究組織に分かれて市教委主催で研修会を行っている。
  こうした研修会が行える背景には、2000年度に英会話活動を始めてからの5年間の実績がある。つまり、2か月に1回程度の授業研修会を行い、授業参観後の講評や情報交換を行うほか、自分の英語や指導法に不安を持つ教員のために、「英会話入門講座」「継続講座」「英会話講座」などニーズに応じた研修会も実施してきた。さらに教委の研修だけでなく、勤務時間外の研修を自主的に始める先生が出てきて、01年度には「英会話活動サークル」が発足。発音練習や英会話活動についての情報交換が行われた。そうした活動でたくさんの実践事例も生まれ、教委では実践事例集を作成。さらに、発音練習用テープ、CDなども作成し、先生方に配付するなど、多様な取り組みが展開されてきた。
  なお、05年度現在、大牟田市では、市内に36ある小・中・養護学校が地域イントラネットで結ばれている。それを活用して英会話活動ができるように、「授業展開案編」「英単語・フレーズ編」「クラスルームイングリッシュ編」の3種類コンテンツを作成。特に、「英単語・フレーズ編」では、1600の単語・フレーズにネイティブの発音の入った動画を搭載。各教室でいつでも活用できるので、先生にも子どもにも好評である。


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