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対談を終えて |
仙崎 武 |
いまをときめく芥川賞作家・村上氏とは初対面であったが、今回の対談を通じ、これからの中学生の生き方、職業理解への支援やキャリア教育の必要性などに関する教育観を、ひとまず共有できたように思う。そこで、研究者の立場から、対談のまとめも兼ねて、今後の学校教育の基本的方向(図2参照)を簡潔に2点挙げておくことにする。 |
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その第一は、中学校教育の見直しを急ぐことである。私見では、現代っ子は近未来のニッポンからの留学生である。留学生は、やがて母国へ帰り、学習した資質・能力を活かして自国の発展に尽くす。このため、中学校では、留学生一人ひとりの夢や希望にかなうガイダンスが機能しているか否か、キャリア教育目標に照らして、現状の評価を実施し、その改善を図る必要がある。
第二は、教育方法の改善を進めることである。およそ学校学習には、「知る」「為(な)す」「共に生きる」「人間として生きる」という4つの柱がある。今後、知ることばかりでなく、為すことや社会的スキルを学ぶことなども含む総合的なキャリア教育を立案、13歳を変える最適な教育方法を工夫し、間髪、実践に移してほしいものである。 |
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